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『アダムとイヴ - 語り継がれる「中心の神話」 (中公新…』からの要約(あらすじ)読書ノート

要約(あらすじ)『アダムとイヴ - 語り継がれる「中心の神話」 (中公新書)』の読書ノート作成者:BafanaBafana さん

アダムとイヴ - 語り継がれる「中心の神話」 (中公新書)

アダムとイヴ - 語り継がれる「中心の神話」 (中公新書)

岡田 温司 / 中央公論新社 / 人文・思想

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2015/02/03 作成
○アダムの性別(pp.6-10)
1)神は男と女を(同時に)創造した(第1章)


2)神はアダムを創造し、その肋骨からイヴを創造した(第2章)

1)と2)は矛盾?

プラトン主義、グノーシス派、ユダヤ教注解書の解釈=アダムはどちらの性でもなかった、もしくは性差を超えた存在(≒両性具有)
→アウグスティヌスは両性具有説を批判

[コメント]なぜ「両性具有」という概念が様々な思想に登場するのか?

最初の人間、アダム=男(アウグスティヌス、現代人)→必ずしも定説ではない

○イヴの誕生(pp.17-18)
アダム=性差を超えた(性差以前の)存在?

アダムからイヴが分かれた時に性差が生じた
例)『創世記』:「男」「女」という表現はイヴ分離後に生じる

西洋の社会の根底「男のほうが先に作られた、神に近い」が無意味になる?(フェミニズム)

○創造の手段(pp.26-29)
初期キリスト教芸術:神は言葉によって人間を創造(アウグスティヌスとも一致)

その後のキリスト教芸術:神が手によって創造を行う

[コメント]なぜ、初期キリスト教美術では手ではなく言葉で人間を創ったと描かれているのに、時代が下ると手で土を捏ねて創造したと描かれているのか?

○楽園神話(pp.61-62)
楽園神話(世界中の神話・宗教に登場):楽園はすでに失われている
                   楽園(=完璧)←→現実(=堕落)
                   →楽園への郷愁、回帰願望
○楽園の探求
ピュロン:エデンは人の心の中にある→地上にはない


アウグスティヌス:エデンは地上に実在した→具体的な場所は不明
→西洋の人々はエデンを探す
例)古代:旅行者
  中世:宗教家
  大航海時代:冒険者
  近代:考古学者
 =1)西洋と異文化との接触
  ↑
  ↓
  2)西洋による異文化の征服

○楽園における性愛
 アウグスティヌス:楽園のアダムとイヴには性交渉があった(通説への反論)
          楽園での性は意識によって完全に制御可能
          ↑
          ↓
          原罪後の性は制御不可能=性の罪悪視

○神の掟を破る
[問い]アダムとイヴはなぜ神の掟を破ったか?
    神の掟とは何か?
    なぜ神の掟を守らなければならないか?
    神の掟を破ったことで二人に何が起こった?後の人間への影響は?

説1)神の掟を破ったことで、人間には不幸が降りかかった
  例)マザッチョ(15世紀前半)『楽園追放』:楽園を追われた二人の後悔、苦痛を描く
    パウロ:アダムの罪を強調(原罪)
        →自らとはかかわりなくアダムから罪を受け継いでいる=遺伝(→遺伝学の発展→ナチズムの優生学?)
説2)神の掟を破ったことで、人間には幸せが訪れた
  例)シャガール『楽園追放』:楽園を追われた2人は希望を持っている
    グノーシス主義:アダムとイヴがリンゴを食べたことで、悪しきエデンから解放される
    →ユダヤの教えの中に本来ありうる解釈
    ルソー
    カント:原罪=知恵の実=理性の始まり
 
※イエス・キリスト:アダムの罰に言及していない
 旧約聖書:アダムを直接的に批判していない


アダムとイヴの物語を「原罪」として捉える=一面的な解釈
多様な解釈があることに注目すべき

○カインの罪(pp.162-173)
神に捧げ物をはねつけられたカイン、捧げ物を受け入れられた弟アベルを殺害→罰として街を建設
[問い]神はなぜアベルの供え物だけを受け取ったか?
   なぜ街の建設が罪となるのか?

『旧約聖書』:アダムの罪<カインの罪
フィロン:カイン=利己的な心
     アベル=利他的な心
アウグスティヌス:カイン=キリスト教徒
         アベル=ユダヤ人
→反ユダヤ主義、不寛容につながる?
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