深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)』の読書ノート作成者:h_nagashima さん
『2012/11/24 作成
もたもた、よろよろしながら、それでもどうにかターミナルに着いた。もちろん時計の針は、七時半はおろか八時を廻っている。と、天の助けかアムリトサル方面行きのバスがまだ発車せずにいるではないか。
少し待ってくれるようバスの運転手に頼もうと喜び勇んで駆け上がると、乗客全員にジロリと睨まれた。なんと満席で、そのバスに乗りきれない人がもう一台分くらい周囲にいる。彼らは次のバスを待っているのだ。
「次のは何時です」
訊ねると、英語のわかる乗客のひとりが五時と教えてくれた。朝の、である。もしそれに乗れなかったらと訊ねると、七時半と言う。二時間くらいならと呟くと、いや夜のだと言う。そうか半日後か。半日もどうやって時間をつぶそうか。すると彼が同情するように言った。
「明日のじゃない。三日後だ」
(P.31~)
少し待ってくれるようバスの運転手に頼もうと喜び勇んで駆け上がると、乗客全員にジロリと睨まれた。なんと満席で、そのバスに乗りきれない人がもう一台分くらい周囲にいる。彼らは次のバスを待っているのだ。
「次のは何時です」
訊ねると、英語のわかる乗客のひとりが五時と教えてくれた。朝の、である。もしそれに乗れなかったらと訊ねると、七時半と言う。二時間くらいならと呟くと、いや夜のだと言う。そうか半日後か。半日もどうやって時間をつぶそうか。すると彼が同情するように言った。
「明日のじゃない。三日後だ」
(P.31~)
h_nagashima さん
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