指先からソーダ (河出文庫)』の読書ノート作成者:itoko さん
『2012/11/24 作成
私のコンタクトレンズは特別製で、恋の終わりが見える。
向かい合って座ると、相手との恋がいつ終わるのかが、わかる。右上の方でチカチカして教えてくれる。
今、向かい合っている男の人とは、「あと、二カ月」と表示されている。
私は、アイスコーヒーを乗り越えて腕を伸ばし、その人の肩に付いている、サクラの花びらを取ってあげる。ありがとう、とその人は言って、もう何も付いてない? と、背中も見せてくれる。大丈夫、と私が笑うと、
「夏になったら、カキ氷を食べようよ」
その人は、急に関係ないことを言う。
「うん、ベロを見せ合う?」
「見せ合うよ。緑の」
「メロン味か」
「そう」
向かい合って座ると、相手との恋がいつ終わるのかが、わかる。右上の方でチカチカして教えてくれる。
今、向かい合っている男の人とは、「あと、二カ月」と表示されている。
私は、アイスコーヒーを乗り越えて腕を伸ばし、その人の肩に付いている、サクラの花びらを取ってあげる。ありがとう、とその人は言って、もう何も付いてない? と、背中も見せてくれる。大丈夫、と私が笑うと、
「夏になったら、カキ氷を食べようよ」
その人は、急に関係ないことを言う。
「うん、ベロを見せ合う?」
「見せ合うよ。緑の」
「メロン味か」
「そう」
MEMO:
恋の終りが見えるコンタクトレンズと、メロン味のカキ氷。緑のベロを見せ合うイメージ。
切ない。
こんな文章を書きたい。
切ない。
こんな文章を書きたい。
itoko さん
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