対岸の彼女 (文春文庫)』の読書ノート作成者:itoko さん
『2012/10/26 作成
あかりを見ていると、あまりにも自分に似ていて驚くことがある。だれかと遊びたいと思っても、無邪気に仲間に入っていくことができず、片隅でいじいじと声をかけられるのを待っている。けれどそんな姿に気づく子どもは少なくて、顔を上げれば子どもたちはみんなどこかへいってしまっている。あかりの目線を追っているつもりが、いつのまにか自分の目線になっている。公園のママ仲間になじむことのできなかった自分の。そう気づくたび、あかりに対して申し訳ない気持ちになる。だれかれに屈託なく話しかけて、派閥など気づかないふりのできる、マイペースで陽気な母親だったら、あかりもそんな子どもになるだろうにと思ってしまうのだ。
itoko さん
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