『私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか ~地下鉄サリン事件から15年目の告白~』の読書ノートリスト
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- ■今もアレフやひかりの輪は団体規制法に基づく観察処分を受けていますが,私はそれだけで未然に「第二の事件」を防げるとは思えないのです。 ■現にオウム事件を知らない世代が何も知らずにアレフに入信していると聞いています。今,アレフや私の家族は自分たちに不利な情報を報じるメディアに対しては訴訟を起こし,ひかりの輪は教団の主張を鵜呑みにする報道機関にしか情報を提供しないそうです。 ■まだ私が教団内部にいたことでさえ,幹部たちは法律的に観察処分から逃れるためにはどうすればいいのか,ということしか考えていませんでした。被害者の方への謝罪や賠償も誠意のこもったものではなく,教団を守る手段としか考えていなかったのです。 ■それらのことを総合的に考えると,いまだ教団は大変危険な状態だと言わざるを得ません。これまでオウム問題に関わった人たちだけでは解決しきれないのが現状だと思います。 ■また信者たちが考えているのが,父の奪還計画です。父を精神病患者に仕立て,医療刑務所から脱出させる,アメリカの要人に取り入って国家間交渉で死刑が執行されたことにして密かに拘置所から脱出させる,など妄想めいたことが考えられています。拘置所の中にいる父を奪還するなど,映画じゃあるまいし,普通では考えられないことですが,教団は真剣に考え実行しようとしています。実際,ヘリまで購入し,あの東京拘置所の上を飛んだこともあるぐらいです。一部の信者は拘置所の近くに住み,毎日その周辺を観察しています。 ■「オウムの悪事が公になって良かった。教祖と主要な幹部は逮捕されたし,もう一安心だ」としている今の風潮に私は違和感を覚えざるを得ません。オウムの刑事的責任はほとんど明らかになったかもしれませんが,社会的にも宗教的にも何も総括されていません。オウムがまた何十年後かに活気づいて,「第二のオウム」のようなものができてもいいのでしょうか。根本的な解決を目指さなければ,再び事件が起きてしまう可能性があります。 ■家族は私がリストカットをしたのはいじめが原因だと考えていたようで,氏の教育委員会にいじめ対策をお願いしました。私がいじめられているのは,行政が就学拒否などをしたことも原因で,行政が私のいじめに加担したのだから,行政の手で止めてほしいという主張でした。次女は「さとかはリストカットをしているのですよ。もしいじめが原因でさとかが死んだらどうするのですか」と訴えかけました。すると教育委員会の話し合いに同席していた私の学校の校長先生が,私のほうを向いて言ったのです。「でも,さとかさんの命は一つですよね。あなたのお父さんは,たくさんの人を殺しましたね。あなたが死んでも仕方がないでしょう」私は目の前が真っ暗になりました。 (続きを読む)
masudakotaro さん(2013/09/08 作成)