ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々』の読書ノート作成者:haruga6 さん
『2012/11/15 作成
というのも、イタリア人にとって、オペラとは単に舞台で演じられる芸術にとどまらないんだよ。オペラを観に行くとはどういう体験かといえば、まずは胸躍る期待からはじまり、その夜のための盛装をし、劇場に向かい、その夜のメイン・イヴェントが演じられる場所に入ってゆく。つまり、一連の愉しみがしだいに深みを増してゆく、一種の祭儀なんだな。舞台が寺院であろうと、円形闘技場であろうと、劇場であろうと、すべての祭儀がそうであるように、そこに至るまでのセッティングこそはその体験の重要な一部なのさ。メドゥーナが企図したのは、劇場内部の装飾が観客席において最高潮に達することだった。
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haruga6 さん
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