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『広告コピーってこう書くんだ!読本』からの引用(抜き書き)読書ノート

引用(抜き書き)広告コピーってこう書くんだ!読本』の読書ノート作成者:h_nagashima さん

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作成
 人間って、いまの自分がかわいいから、いまの自分を中心に考えて、昔の自分を忘れようとしたり、否定したりしがちです。でも、「あの時に自分はこう思った」という気持ちは、いまの自分にはない大切な視点なんです。
 たとえば、ぼくは独身時代、「子どもが大嫌い」でした。その気持は、その後、結婚して子どもができると、当たり前のように「子どもはかわいい」に変わってしまったのですが、ただ、そのときに「子どもが大嫌いだったという気持ちを一生忘れないようにしよう」と強く思ったんです。「子どもが嫌いなんていうのは、きみがまだ“青い”からだ」と他人に説教するようなオヤジにだけはならないようにと思った。
 だって、もしいまの自分の感性や主義にこだわって、独身時代の自分の気持ちを「まだ若くて、なにもわかってなかったから・・・」と否定してしまえば、ぼくには子どもが嫌いな人の気持がわからなくなる。(P.37)
MEMO:
僕が若い頃、こんなことがあった。
アルバイト先で、30代、40代の年配社員の働く姿をみて、「もっとこうすればいいのに、ああすればいいのに」と感じて苛立ち、彼らの能力そのものを小馬鹿にしていた。
彼らとほとんど会話を交わしたこともないのに、仕事の一面をみて、そう断定していた。
居酒屋で酒の肴にして嘲弄していた。
自分がアルバイトの身分であることも棚に上げて。

その後、自分が社員として会社に勤めるようになり、30も過ぎた頃、ある若い社員の言動が気になった。
どうやら彼は、僕のことをいかに無能であるか吹聴しているようなのだ。
彼はまだ大学を卒業して二年目の若手社員だった。
彼にとっては、僕の何かが気に入らないのだろう。
僕の立場からすれば、彼の発言の根拠には重要な情報が欠けていた。
本質を理解しようとせずに攻撃する彼に苛立ちを覚えたが、そんな彼の姿を目にしてハッとする。
若い頃の自分そのもののように見えたからだ。

これは若いからというだけのことではないが、要は自分のことを棚上げするということ。
著者が言うように「自分がかわいい」のだ。
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