Paragrase “パラグレーズ” ロゴ

『楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)』からの引用(抜き書き)読書ノート

引用(抜き書き)楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)』の読書ノート作成者:haruga6 さん

2,072 Views
作成
ここのところの性的興奮に彼は苦しんでいた。彼は「姦淫すること」(ルーテル派の元説教師はこの言葉を使っていた)に用いるエネルギーは、芸術家としての仕事に向かうエネルギーを減少させていると思い込んでいた。元牧師の清教徒的偏見をポールはからかった。彼にとっては反対に、ペニスが満足していなければ、絵筆を取る勢いがまったくなかった。
「ちがう、ちがう」激昂しながら、狂ったオランダ人は言った。「俺の傑作はセックスを完全に絶っているとき描いたんだよ。精液で描いた作品だ。そのセックス・エネルギーを、女にじゃなくてキャンヴァスにぶちまけたんだよ」
「バカなこと言うなよ、フィンセント。それなら、俺には余りあるほどのセックス・エネルギーがあるってことじゃないか。絵にも女にも回せるだけのよ」
P326
さん
この読書ノートをお気に入りに追加する
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この読書ノートを読んだ人によく読まれている読書ノート

キーワードで引用ノートを探す
Copyright © 2024 Culturelife Inc. All Rights Reserved.