ビリー・ミリガンと23の棺〈下〉 (ダニエル・キイス文庫)』の読書ノート作成者:masudakotaro さん
『2013/03/20 作成
「意図的にすべてをやめるという選択をすることによって,彼らは自分たちの運命を支配することができるのだ」
「これは他人を操るためではなかった。もはや病院に利用され,政治家に利用され,メディアに利用されるのは耐えられなかった。ある男を殺したと疑われ,その男がまだ生きているのに,第一容疑者とみなされることには対処できなかった」
「彼らがもう力をふるえないと知って,大きな喜びを感じた。自分が自分の人生を支配しているのだとわかった。なぜなら自分が死ねば,彼らはその遺体を外に運び出さなければならないからだ。どんなに閉じ込めておきたくても,彼の脳に錠をかけることはできないし,いまは彼の肉体を閉じこめておくこともできない。彼はまさしくここを去ろうとしているのだ」
「つまり,ぼくがまずチャーマーを許さなければならないということです。彼の墓を見つけてほんとうに死んだことをたしかめたいですが,でも墓を汚すようなことはしません。彼に許すといいます。そうすれば彼の霊は,子供の頃の彼を傷つけた誰かを許し,たぶん許しは過去に遡っていき,未来を変えるでしょう。人間は,お互いに傷つけあうことをやめなければならないのです」
「これは他人を操るためではなかった。もはや病院に利用され,政治家に利用され,メディアに利用されるのは耐えられなかった。ある男を殺したと疑われ,その男がまだ生きているのに,第一容疑者とみなされることには対処できなかった」
「彼らがもう力をふるえないと知って,大きな喜びを感じた。自分が自分の人生を支配しているのだとわかった。なぜなら自分が死ねば,彼らはその遺体を外に運び出さなければならないからだ。どんなに閉じ込めておきたくても,彼の脳に錠をかけることはできないし,いまは彼の肉体を閉じこめておくこともできない。彼はまさしくここを去ろうとしているのだ」
「つまり,ぼくがまずチャーマーを許さなければならないということです。彼の墓を見つけてほんとうに死んだことをたしかめたいですが,でも墓を汚すようなことはしません。彼に許すといいます。そうすれば彼の霊は,子供の頃の彼を傷つけた誰かを許し,たぶん許しは過去に遡っていき,未来を変えるでしょう。人間は,お互いに傷つけあうことをやめなければならないのです」
MEMO:
ビリーが自分で自分を支配するために「餓死」という選択肢を選び,威厳に満ちて一歩ずつ死へと近づいていく様子は,静かな迫力に満ちていて美しく,とても印象的だった。
結局ビリーは「餓死」することなく力強く戦い抜いて「自由」と「自分」を勝ち取るのだが,幼少の頃5年間にわたって継父から性的虐待を受けたにもかかわらず,その彼を「許す」という場面もまた感動的。人間は継父チャーマーのように鬼畜にもなるが,ビリーのように誇り高くもなりうるのだ。
結局ビリーは「餓死」することなく力強く戦い抜いて「自由」と「自分」を勝ち取るのだが,幼少の頃5年間にわたって継父から性的虐待を受けたにもかかわらず,その彼を「許す」という場面もまた感動的。人間は継父チャーマーのように鬼畜にもなるが,ビリーのように誇り高くもなりうるのだ。
masudakotaro さん
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