ルパン、最後の恋 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ル)』の読書ノート作成者:akinomiya さん
『2013/08/05 作成
女の一生は富にも悲惨にも満ちている。 (p45)
「わたしが教えた方法のもっとも大事な点は何だった? 決して冷静さを失わないこと。完璧な自制心を保つことだ。感情を露にしたり、声を震わせたりしてはならない。穏やかな目、静かな声。わかったな?」 (p79)
「愛こそ機械を動かす原動力、人々に理想と信念をもたらす源なのです……」 (p98)
「期待なんて言葉は、とっくにわたしの辞書からはずしている。欲しいものがいつでも手に入るようになれば、期待する必要もないからな」 (p125)
「もっとも美しい夢が呼び起こすのは、想像することすらあたわない現実なんです」 (p127)
「やらずに終わったことは、わたしもよく後悔するわ。でもしてしまったことは、決して後悔しません」 (p128)
「どうすればよかったんですか? 武器もなくて」
「わたしだって持っていないさ。でも、こうして駆けつけようとしている。一番大事な武器、何よりも勝る武器、それは冷静でいることだ。何があっても動じないこと。完璧な鎧で身を固めるように落ち着き払っていれば、敵のほうが慌て出す……攻撃をしかけたいのだが、反撃が恐ろしい。攻撃する前から、反撃のほうが大きいような気がしてしまうんだ。どこから来るのだろう? どんなふうにやるんだろうってね。とはいえ、正しい方法で精神を鍛えあげるには何十年もかかる。そこがフランスの教育の愚かなところさ。鋼のように冷徹で、斧のように切れ味のいい強靭な精神の持ち主を作らねばならないのに、感受性ばかりを養っているのだから」 (p137)
「分散こそが防御なのです」 (p159)
「そんなことはありません。わたしは自分の才能をよく知っています。才能を活用するためには、まずそれを知っておかねばなりません。ただうぬぼれていてはだめなんです」 (p205)
「冒険の楽しみ。危険と成功の味だ……きみのような性格の男には、それだけで充分じゃないか」
「そんなことはない。今のわたしは、もっと高い志を持っている。わたしの目的は、もっと無欲なものなんだ。わたしにとって戦いとは、みなの利益にならねばならない。君がいつもしていることとはかけ離れた、騎士道的な行為でなければ」
「お言葉だが、われわれも礼儀くらいは心得ている」
「ああ、でもきみたちには良心の咎めがない」 (p231)
「ありがとう。きみは本当に紳士だ。きみに現実を見る目(レアリスム)が欠けているのが残念だが」 (略)
「理想主義(イデアリスム)のほうがずっとすばらしいさ」 (p237)
「嬉しいですって? アルセーヌ・ルパンが何を意味するか、あなただっておわかりでしょう? それはあたりまえの幸福を禁じられた生き方なんです」 (p244)
『ルパン、最後の恋』
***
「まっとうに生きられないのも、つらいことさ……」 (p274)
「アルセーヌ・ルパンの逮捕」[初出版]
「わたしが教えた方法のもっとも大事な点は何だった? 決して冷静さを失わないこと。完璧な自制心を保つことだ。感情を露にしたり、声を震わせたりしてはならない。穏やかな目、静かな声。わかったな?」 (p79)
「愛こそ機械を動かす原動力、人々に理想と信念をもたらす源なのです……」 (p98)
「期待なんて言葉は、とっくにわたしの辞書からはずしている。欲しいものがいつでも手に入るようになれば、期待する必要もないからな」 (p125)
「もっとも美しい夢が呼び起こすのは、想像することすらあたわない現実なんです」 (p127)
「やらずに終わったことは、わたしもよく後悔するわ。でもしてしまったことは、決して後悔しません」 (p128)
「どうすればよかったんですか? 武器もなくて」
「わたしだって持っていないさ。でも、こうして駆けつけようとしている。一番大事な武器、何よりも勝る武器、それは冷静でいることだ。何があっても動じないこと。完璧な鎧で身を固めるように落ち着き払っていれば、敵のほうが慌て出す……攻撃をしかけたいのだが、反撃が恐ろしい。攻撃する前から、反撃のほうが大きいような気がしてしまうんだ。どこから来るのだろう? どんなふうにやるんだろうってね。とはいえ、正しい方法で精神を鍛えあげるには何十年もかかる。そこがフランスの教育の愚かなところさ。鋼のように冷徹で、斧のように切れ味のいい強靭な精神の持ち主を作らねばならないのに、感受性ばかりを養っているのだから」 (p137)
「分散こそが防御なのです」 (p159)
「そんなことはありません。わたしは自分の才能をよく知っています。才能を活用するためには、まずそれを知っておかねばなりません。ただうぬぼれていてはだめなんです」 (p205)
「冒険の楽しみ。危険と成功の味だ……きみのような性格の男には、それだけで充分じゃないか」
「そんなことはない。今のわたしは、もっと高い志を持っている。わたしの目的は、もっと無欲なものなんだ。わたしにとって戦いとは、みなの利益にならねばならない。君がいつもしていることとはかけ離れた、騎士道的な行為でなければ」
「お言葉だが、われわれも礼儀くらいは心得ている」
「ああ、でもきみたちには良心の咎めがない」 (p231)
「ありがとう。きみは本当に紳士だ。きみに現実を見る目(レアリスム)が欠けているのが残念だが」 (略)
「理想主義(イデアリスム)のほうがずっとすばらしいさ」 (p237)
「嬉しいですって? アルセーヌ・ルパンが何を意味するか、あなただっておわかりでしょう? それはあたりまえの幸福を禁じられた生き方なんです」 (p244)
『ルパン、最後の恋』
***
「まっとうに生きられないのも、つらいことさ……」 (p274)
「アルセーヌ・ルパンの逮捕」[初出版]
MEMO:
宝塚歌劇団・月組による上演を記念して。
(脚本演出がハリーというのがどうなんだろうね・・・と思いつつ。サイトーくんだったらなあ・・・とも思わずにいられないが)
小説の内容は辻褄合わないところがあって、中途半端ではありますが、モーリス・ルブランの遺品から見つかった「新作」という意味では、アルセーヌ・ルパンの生きた姿を読めることは嬉しい。
しかし・・・
あんたはいったい、何人の女と恋に落ちて、何人の女と結婚してるんじゃーい!!!
と声を大にして叫ばずにはいられない。
(脚本演出がハリーというのがどうなんだろうね・・・と思いつつ。サイトーくんだったらなあ・・・とも思わずにいられないが)
小説の内容は辻褄合わないところがあって、中途半端ではありますが、モーリス・ルブランの遺品から見つかった「新作」という意味では、アルセーヌ・ルパンの生きた姿を読めることは嬉しい。
しかし・・・
あんたはいったい、何人の女と恋に落ちて、何人の女と結婚してるんじゃーい!!!
と声を大にして叫ばずにはいられない。
akinomiya さん
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