『麦ふみクーツェ (新潮文庫)』の読書ノート作成者:dotetintin さん
2014/03/12 作成
				
			ネタバレ注意!
 にゃあ!
やっとわかった。待っていたんだ。
うまれて以来ずっと、ぼくは知らず知らずのうちに待っていた、ばちをふりおろすこの瞬間を。いちばんうしろの高いところでずいぶん長いあいだ、じっとばかみたいに立ちつくし、このへんてこな打楽器を打ち鳴らす時ときがくるのを。
				
				やっとわかった。待っていたんだ。
うまれて以来ずっと、ぼくは知らず知らずのうちに待っていた、ばちをふりおろすこの瞬間を。いちばんうしろの高いところでずいぶん長いあいだ、じっとばかみたいに立ちつくし、このへんてこな打楽器を打ち鳴らす時ときがくるのを。
MEMO:
					
						デパートの火災に巻き込まれ、みどり色とむらさきみどりを探すねこ。大声で名前を呼びたいのに、喉が煙にやられて声は出ない。必死の思いで胸をたたいたそのとき、飛び出したのはねこの鳴き声だった。
小さいころにはずっと「いちばんうしろの高いところ」でじっとしているしかなかったねこのことを思うと、ぐっとくる。
こんな瞬間、自分も人生の中で出会えるだろうか。出会いたいと思った。
				小さいころにはずっと「いちばんうしろの高いところ」でじっとしているしかなかったねこのことを思うと、ぐっとくる。
こんな瞬間、自分も人生の中で出会えるだろうか。出会いたいと思った。

dotetintin さん
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