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『麦ふみクーツェ (新潮文庫)』からの引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『麦ふみクーツェ (新潮文庫)』の読書ノートリスト

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  • たったひとつの「ひどい音」、一瞬の音とそのこだまが、あらゆる吹奏楽の音色、それまで過ごした生活すべての彩りを、真っ暗に塗り替えてしまうってことが、この世ではまちがいなく起こり得るのだ。(続きを読む
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dotetintinさん
dotetintin さん(2014/03/12 作成)
  •  にゃあ!  やっとわかった。待っていたんだ。  うまれて以来ずっと、ぼくは知らず知らずのうちに待っていた、ばちをふりおろすこの瞬間を。いちばんうしろの高いところでずいぶん長いあいだ、じっとばかみたいに立ちつくし、このへんてこな打楽器を打ち鳴らす時ときがくるのを。(続きを読む
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    dotetintinさん
    dotetintin さん(2014/03/12 作成)
  • 先生がおもいだしたかのように、 「へんてこで、よわいやつはさ。けっきょくんとこ、ひとりなんだ」  と口の端からつぶやいた。「ひとりで生きてくためにさ、へんてこは、それぞれじぶんのわざをみがかなきゃなんない」 「技?」  とん、たたん 「わざだよ」  先生はこたえた。「そのわざのせいで、よけいめだっちゃって、いっそうひどいめにあうかもしんないよ。でもさ、それがわかっててもさ、へんてこは、わざをさ、みがかないわけにはいかないんだよ。なあ、なんでだか、ねこ、おまえわかるか」 「それは」  たたん、とん  ぼくは足ぶみのようにひとことずつ区切っていった。「それがつまり、へんてこさに誇りをもっていられる、たったひとつの方法だから」 「へえ」  と先生は口をとがらせ、「ねこのくせに、よくわかってやんの」 「ねえ先生」  とぼくは言う。「みどり色は何十万にひとりなんかじゃない。この世でたったひとりなんだ。ねえ、ひとりってつまり、そういうことでしょう?」  先生はなにもいわなかった。こたえをかえすかわり、鏡なし亭につくまでのあいだクッションのきいた座席の上で、ずっとぴょんぴょこ跳びはねていた。(続きを読む
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    dotetintinさん
    dotetintin さん(2014/03/11 作成)
  • 「からだの内側からできた傷は、外側にくらべて、治りがおそいのかもしれません」(続きを読む
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    dotetintinさん
    dotetintin さん(2014/03/11 作成)
  • 「それしかいえない、ってのは、ずいぶんひどいことのような気もする。けど、たったひとつだけおぼえさせるとするならさ、案外、すてきなことばじゃないかって気もするんだよな」(続きを読む
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    dotetintinさん
    dotetintin さん(2014/03/11 作成)
  •  はじめからわかってた。方向図なんてないって。目が見えようが見えなかろうが、ひとは地図のとおりに歩くことはできない。音の地図にかぎらず、それはたえずかきかえられる。予想もつかないついたてが突如としてあらわれ、足もとの砂がまたたくまに崩れおちる。そして、いくら風景がかわっても、ひとはその先へその先へと、あるいていかなけりゃなんない。  音楽の演奏もまた同じだ。楽譜をみていたって音楽は鳴りださない。  そうさ、わかりきってたことなんだ。(続きを読む
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    dotetintinさん
    dotetintin さん(2014/03/11 作成)
  • でかいものは目立つ、けれど、でかすぎるとそれはときにみえなくもなる。(続きを読む
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    dotetintinさん
    dotetintin さん(2014/03/11 作成)
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