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『誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』からの引用(抜き書き)読書ノート

引用(抜き書き)誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』の読書ノート作成者:masudakotaro さん

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【第3章 拓海】
2013年10月1日時点で,対象児童焼く4万7千人のうち,児童養護施設で約2万9千人,乳児院に約3千人,情緒障害児短期治療施設などのその他の施設に約9千人と,約9割が「施設養護」の場で暮らしているのだ。

小学4年生で,自分の将来への足がかりとなるイメージ一つ,その欠片すら描けない。それはただ「生きてきた」「生かされてきた」だけと言わざるを得ないのではないか。

児童相談所に「この子には知的に遅れがある」と子どもを連れて行き知能検査を行い,診断書を児童相談所や社会福祉事務所などに提出すれば,手帳(療育手帳)は交付される。ではなぜ,知的に問題のない子どもにそのような診断が下りるのか。それは検査そのものに問題がある(からだ)。「施設での暮らしで,いろんなことを投げ出しているような子どもたちだから,心理士が『これ,やれる?』と言っても,まず『そんなもん,やれない』となる。知能検査も一般常識を問うものが多くて,たとえば文房具の中に鏡を入れて,『どれが仲間外れ?』と聞かれたとする。でも,彼らは小学校に上がるまで自分の文房具を持たせてもらってないから,わからない。あるいは『テニスのラケットはどれ?』と聞かれても,彼らはそんなもの,見たことがない」

ある男性職員は,児童養護施設はこんな場所でありたいと話す。「僕が実家に帰るのと同じように,嫌なことがあってもここに帰ってくれば安心なんだ,と感じとれる場所にしてあげたい。人に頼れる,人が裏切らない,人が自分の味方になってくれることを体験できる場所でありたい」

「彼の学習が遅れているのは,彼のせいではありません。今までの環境がそうさせているのです。彼にそうさせてしまった社会に,私たちはいます」
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