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『わたしはマララ』からの引用(抜き書き)読書ノート

引用(抜き書き)わたしはマララ』の読書ノート作成者:masudakotaro さん

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【第二部 死の渓谷】
タリバンはまず、私たちから音楽を取りあげ、次に仏像を取りあげた。それから、私たちの歴史を奪った。

タリバンの姿がスワートでみられるようになったのと同じ頃、赤のモスクの女子生徒たちが、イスラマバードでテロ活動をはじめた。(中略)タリバンを支持する活動であれば、女が堂々と意見を口にすることも、人前に出ることも、許されるのだ。

私はこう思う――ファズルラーのようなたったひとりの人間がすべてを破壊できるのなら、たったひとりの少女がそれを変えることもできるはずだ。

学校に行って、本を読み、宿題をする。それはただ時間を費やしているだけではない。未来を作っているのだ。

普通ならかくれんぼや鬼ごっこをしているはずの子どもたちが、いまは政府軍対タリバンの戦争ごっこをしている。木の枝で携帯用ロケット発射器やカラシニコフを作っている。

わたしはひとりの人間にすぎない。銃声をきくたびに、心臓がどきどきする。怖くてたまらないときもある。でも、泣き言はいわなかった。怖いからといって、学校に行くのをやめるつもりもなかった。でも、恐怖は人を変える。(中略)恐怖は人間を残酷にする。タリバンは、パシュトゥン人の誇りも、イスラムの尊さも、踏みにじっている。

わたしたちは教育を受ける権利がある。歌を歌う権利があるのと同じだ。イスラム教はこの権利を認めているし、男の子も女の子もみんな学校に行くべきだといっている。コーランには「知識を得よ、しっかり学んで、世の中のなぞを解明せよ」とある。

やっぱりペンの力は強い。ペンと、ペンが生み出す言葉は、マシンガンや戦車やヘリコプターなんかよりずっと強い力を持っていると思う。戦う方法がわかってきた。自分たちのあげる声にどれだけの力があるかも分かってきた。

タリバンは、女の子に勉強を教えるのは女性教師、女性を診察するのは女性医師であるべきだといいながら、女の子は学校に行ってはいけないという。それでどうやって、女の子に教師や医師になれというんだろう。

世の中にはいろんなものを怖がる人がいる。幽霊が怖いとか、クモが怖いとか、ヘビが怖いとか。あの頃のわたしたちは、人間が怖かった。
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