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『楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)』からの引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)』の読書ノートリスト

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  • 描き終えたとき、おまえは何夜も徹夜して、寝室のほの暗いランプの明かりで友人たちに手紙を書いた。その中でおまえは、とうとうあの平凡な人々の田舎風で迷信深い純真さに迫ることができた、彼らは自分の簡素な生活と古くからの信仰の中で、現実と夢、事実と幻想、実際に見えるものと幻影との区別ができないようだ、と書いていた。シュフや狂ったオランダ人に対しては、『説教のあとの幻影』はリアリズムを爆破していて、芸術は自然界を模倣することなく、夢を通して直接肌で感じる生活を抽象化し、神の行為ーー創造することーーをしながら、神という模範に従っていく時代を創始したものである、と断言していた。これは芸術家の義務であるーー模倣するのではなく、創造すること。今後、芸術家は奴隷のような束縛から自由になって、現実とは異なる世界を創造するために、いかなることにも挑むことができるだろう。 P284(続きを読む
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haruga6さん
haruga6 さん(2012/12/07 作成)
  • なんて苦しいコルセットだろう。コルセットについては『メフィス』という小説の中でおまえは痛烈な批判をしていて、未来社会では不適切な衣類として禁止されるだろう、女性を腹帯を締めた雌馬のように感じさせるから、と述べている P262(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
  • 青いビロードの中国風の椅子、そこにおまえはアンナを、神を冒涜するような卑猥なポーズで座らせていたね。ジャワ女の両脇、木製の肘掛では、おまえが創りだした二つのタヒチの偶像が、力強い異教徒の権威をもって西洋とその上品ぶったキリスト教をきっぱりと放棄しているかのように、反旗を翻していた。 ~象徴主義とそれらのイメージの精緻さを学びながら、おまえは今、直観的に察知していたものを、ついにはっきりと見えるようになったのだ。大勢の画家たちの命を奪った肺結核の影響もあるが、ヨーロッパ美術は脆弱になっており、ヨーロッパによっていまだ損なわれていない原始的文化ーーそこではまだ地上の楽園が存在しているーーに湯浴みして活力を取り戻すことだけが、それを退廃から救ってくれるのだ。 P112(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
  • フローラはよく眠れなかった。彼女はフリーメイソンの集会所で起こったことに失望していたし、ブルジョワに対して労働者に歩み寄るよう熱心に働きかけもしないで、侮辱したいと思う衝動を抑えきれなかったことを後悔していた。おまえは逆上する性格だね、フロリータ。四十一歳にもなってまだおまえは激情を抑えられないのだね。だが、その反抗的な精神と癇癪の破裂のおかげで、おまえは自由を保ち続けてこられたし、また自由を失うたびに取り戻せたのだった。 P88(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
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