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『スティーブ・ジョブズ I』からの引用(抜き書き)読書ノート

引用(抜き書き)スティーブ・ジョブズ I』の読書ノート作成者:masudakotaro さん

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 「スティーブは禅と深くかかわり,大きな影響を受けています。ぎりぎりまでそぎ落としてミニマリスト的な美を追求するのも,厳しく絞り込んでゆく集中力も,皆,禅から来るものなのです。」
 ジョブズはまた,直感や洞察を重視する仏教の教えにも強い影響を受け,「抽象的思考や論理的分析よりも直観的な理解や意識のほうが重要だと,このころに気づいたんだ」と後に語っている。ただ気性が激しかったため,解脱して涅槃にいたることはできなかった。
 のちにジョブズは,こう振り返っている。「僕はすばらしい時代に大人への階段をのぼったと思う。禅によって,また,LSDによって意識が高められたからね。」「LSDはすごい体験だった。人生でトップクラスというほど重要な体験だった。LSDを使うとコインには裏側がある,物事には別の見方があるとわかる。効果が切れたとき,覚えてはいないんだけど,でもわかるんだ。おかげで,僕にとって重要なことが確認できた。金儲けではなくすごいものを作ること,自分にできるかぎり,いろいろなものを歴史という流れに戻すこと,人の意識という流れに戻すこと。そうわかったのはLSDのおかげだ。」
 「西洋の合理的思考は人間が生まれながらに持っているものじゃない。習得するものであり,西洋文明の大きな成果でもある。インドの村では合理的思考を学ばないんだ。彼らは別のものを学ぶ。合理的思考と,ある意味,同じくらい重要な面を持ち,それほどでもない面も持つものだ。それが直感の力,体験にもとづく智慧の力だ。インドの田舎で7カ月を過ごしたおかげで,僕は,西洋世界と合理的思考の親和性も,そして西洋世界のおかしなところも見えるようになった。じっと座って観察すると,自分の心に落ち着きがないことがよくわかる。静めようとするともっと落ちつかなくなるんだけど,じっくりと時間をかければ落ちつかせ,とらえにくいものの声が聞けるようになる。このとき,直感が花開く。物事がクリアに見え,現状が把握できるんだ。ゆったりとした心で,いまこの瞬間が隅々まで知覚できるようになる。いままで見えなかったものがたくさん見えるようになる。これが修養であり,そのためには修業が必要だ。」
 「マイクには本当に世話になった。彼の価値観は僕とよく似ていたよ。その彼が強調していたのは,金儲けを目的に会社を興してはならないという点だ。真に目標とすべきは,自分が信じるなにかを生み出すこと,長続きする会社を作ることだというんだ。」
 アップルは,他の企業よりも顧客のニーズを深く理解する。顧客の想いに寄りそうのだ。
 やると決めたことを上手におこなうためには,重要度の低い物事はすべて切らなければならない。
 ジョブズはその後,マーケティングやイメージ,ときにはパッケージの細かな点にいたるまで注意を払うようになり,その姿勢は強迫的だと言われるほどになる。「iPhoneやiPadの箱を開けたときに感じるなにか,それが,その製品に対する想いを決める第一歩になってほしいと僕らは考えている。」
 ボールを使ったマウスを作ることは商業的に不可能だと,あるエンジニアに言われたジョブズ。翌朝,そのエンジニアは首になった。
 製品に対して十分に熱い想いを抱いていれば現実をも曲げられるとジョブズは信じていた。
 怒りっぽいという欠点はあるものの,宇宙に衝撃を与えられるだけのカリスマ性と社内的な力がジョブズにはあると考える人も多かった。
 「スティーブの現実歪曲フィールドにとらえられるのは危険なのですが,でも,あの力があるから実際に現実を変えられたわけです。」
 「カリスマ的な物言い,不屈の意志,目的のためならどのような事実でもねじ曲げる熱意が複雑に絡みあったもの――それが現実歪曲フィールドです。」
 「その存在を意識しても,現実歪曲フィールドは効果を発揮するんですよ。なんとかむこうかできないものかとさまざまな方法を検討しましたが,結局,ほとんどの人はあきらめ,自然界にはそういう力も存在するのだと受け入れてしまいました。」
 「論理的にあり得ない未来を見ているとき,彼は現実歪曲の力を発揮するんだ。」
 「自己実現型の歪曲で,不可能だと認識しないから,不可能を可能にしてしまうのです。」
 現実歪曲フィールドの根底にあったのは,世間的なルールに自分は従う必要がないという確固たる信念だ。
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