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『スティーブ・ジョブズ II』からの引用(抜き書き)読書ノート

引用(抜き書き)スティーブ・ジョブズ II』の読書ノート作成者:masudakotaro さん

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 ジョブズはアイブのチームを前に宣言する。「みんな,ここ9カ月,このデザインでひっしにやってきたわけだが,これを変えることにした。これから全員,夜も週末も働かなきゃいけなくなった。希望者には,我々を撃ち殺す銃を配布する。」文句を言う者はいなかった。「あれは,アップルをとても誇りに思った瞬間だった。」
 ジョブズにとっては薄いことはいいことなのだとティム・クックは証言する。「薄いほうが美しいとスティーブは信じています。その影響はすべての製品に表れています。もっとも薄いノートブックももっとも薄いスマートフォンもアップル製品ですし,iPadなど,薄く作った上でさらに薄くしたくらいですから。」
 ジョブズは昔から食べ物にはうるさく,一口で至高か最悪かに分けてしまうことが多い。ふつうの人には区別がつかないアボガド2個を食べて,片方は史上最高のアボガド,もう片方は食えたものではないと評したこともある。
 死に直面して少しは円くなっただろうか?その疑問には1日で明確な答えが出た。次々とかんしゃくを爆発させ,側近をあぜんとさせたほか,6カ月ぶりに会った人々をこてんぱんにやり込める。マーケティングの企画をずたずたにする,あげくの果てには,まがい物の仕事をしていると思った連中を2~3人やり玉にあげて,こっぴどく叱りつけたのだ。
 「感動した」と,ジョブズが私に記事を送ってきたことがある。(中略)コロンビアの首都,ボゴダの少し北にある田舎の酪農場に滞在していたノアーがiPadでSF小説を読んでいると,家畜小屋の掃除を終えた子どもが近寄ってきた。ふと思いついてiPadを渡すと,使い方を教えられてもいなければコンピュータを見たこともないというその子が,「何となく使えてしまった」というのだ。スクリーンに指を走らせ,アプリを起動し,ピンボールゲームで遊ぶなどした。「文字も読めない6歳の子どもが使い方を教えられなくても使えるパワフルなコンピュータをスティーブ・ジョブズは作り上げた。これを魔法と言わずしてなにを魔法と言うべきであろうか。」
 実際のことろ,ジョブズは,次なる変革のターゲットとして教科書を狙っていた。年間80億ドルの教科書産業はデジタル技術で倒す格好の標的だと考えていたのだ。最近は保安上の理由からロッカーのない学校が多く,重たいかばんを引きずって歩かなければならない。「iPadならそういう問題もなくなる。」優れた執筆者を集めてデジタル版の教科書を作り,iPadの目玉として提供する。(中略)「各州でおこなわれている教科書の検定は腐っている。でも,教科書をタダでiPadに載せるのなら,検定を取る必要なんてない。もうあと10年は州レベルで胸くそ悪い経済活動が続くと思うけど,そういうやり方を避けて費用を節約できる方法が提供できるんだ。」
 最終的にグーグルのアプローチが市場で優れた成果をあげるとしても,それはジョブズにとってむしずが走るやり方なのだ。「僕はユーザー体験に丸ごと責任を持ちたい。金儲けがしたいからじゃない。すごい製品が作りたいからやるんだ。アンドロイドみたいなガラクタじゃなくてね。」
 20年前は,お互い,あまりよく知らなかった米。あのころ僕らは自分の心に導かれていた。僕は一目で君に夢中になったんだ。アワニーで結婚したとき,外は雪が降っていたね。月日が流れ,子どもたちが生まれた。いいときも厳しいときもあった。でも悪いときはなかった。僕らの愛も敬意も時の流れに耐えて成長した。ふたりで本当にいろいろなことを経験してきたね。そしていま,僕らは20年前にふたりで歩きはじめた場所に戻ってきた――年を取り,賢くなって――顔にも心にもたくさんのしわを刻んでね。僕らは人生の喜びも苦しみも秘め事も驚きもたくさん経験して,その上でこうしていっしょにいるんだ。僕はいまも君に夢中だ。(結婚20周年。つ前のラブレター。)
 「素晴らしい才能に恵まれた多くの人がそうだと思うのですが,あの人も,すべての面で非凡なわけではありません。たとえば,他人の身になって考えるといった社会的スキルは持ち合わせていません。でも,人類に新たな力を与える,人類を前に進める,人類に最適なツールを提供するということを,あの人は心の底から大事にしています。」
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