『楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)』の読書ノートリスト
- 全 24 件
- 並び替え: 新着順 / 人気順
- 青いビロードの中国風の椅子、そこにおまえはアンナを、神を冒涜するような卑猥なポーズで座らせていたね。ジャワ女の両脇、木製の肘掛では、おまえが創りだした二つのタヒチの偶像が、力強い異教徒の権威をもって西洋とその上品ぶったキリスト教をきっぱりと放棄しているかのように、反旗を翻していた。 ~象徴主義とそれらのイメージの精緻さを学びながら、おまえは今、直観的に察知していたものを、ついにはっきりと見えるようになったのだ。大勢の画家たちの命を奪った肺結核の影響もあるが、ヨーロッパ美術は脆弱になっており、ヨーロッパによっていまだ損なわれていない原始的文化ーーそこではまだ地上の楽園が存在しているーーに湯浴みして活力を取り戻すことだけが、それを退廃から救ってくれるのだ。 P112(続きを読む)
haruga6 さん(2012/12/07 作成)