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『下に見る人』からの引用(抜き書き)読書ノート

引用(抜き書き)下に見る人』の読書ノート作成者:sonojitu さん

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作成
P65「女子高生」
おニャン子が人気者になった時、既に女子大生になっていた私は、その現象を見て「チッ」と思っていました。「若ければ若いほど偉い」という価値観のもと、大人を見下して女子高生ライフを謳歌した我々でしたが、女子高生という価値ある方書きは三年間の期間限定。高校を卒業してしまえば、かつて馬鹿にしていた女子大生に、自分達がならなくてはいけなかったのです。
 「若ければ若いほど偉い」という価値観を自分達で広めておいて、その価値観に自分達の首が絞められた、ということになりましょう。

P67
 どうやら私達は女子高生時代、気付かなくていいものに、気付いてしまったようです。若者が常に自分より年上の人に憧れる世の中であれば、年をとることに希望がもてるはず。しかし女子高生の時、「若いということには価値がある。そして自分の価値は、今が最高なのだ」と気付いてしまったら、後は自己評価がどんどん下がるばかりではありませんか。
 しかし、それでも人は何とか生きていくことができるのです。四十代になった私は、自分より年上の人を見ては、まだ「あの人よりはマシ」とか「ああはなりたくない」などと思っているのです。これは果たして、不毛と言おうかポジティブシンキングと言おうか。思考の癖というものは、何歳になっても変わらないのでした。
MEMO:
「若くない=価値がない」という図式が生まれる過程を興味深く読んだ。
4歳しか違わないけれど、東京と地方の違いも手伝ってか(それよりも酒井さんの立ち位置と私の立ち位置が違いすぎたことの方が大きいのだろうが)実感として「旬を降りる残念感」が私にはなかった。

40代にさしかかって、自分より更に年配の人との接触も増え、私はその中に、人生最高に尊敬できる女性像を発見した。
その瞬間から自分の価値観・人生観がグルっと変わったのを実感した。
長い人生を生き抜くには、年長者を尊敬し憧れることが必要だ、という実証を体験した今、その裏返しの世界である「若ければ若いほど偉い」が確かに存在することは理解できる。

私見を書くと、この感覚は男性本位の視点のように感じる。そして女性のに中にも、男性視点が埋め込まれていることもわかる。
さん
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