夜になるまえに』の読書ノート作成者:haruga6 さん
『2013/08/21 作成
マンゴの木の下で、小さなテーブルを前にして本にサインしている年老いた女性がいた。それがリディア・カブレラだった。ハバナにある広い別荘を、広い書斎を、自分の過去をいっさい棄てて、いまはマイアミのつましいアパートで暮らし、野天で、マンゴの木の下で、自費出版した本にサインしている。そんな姿を見て、目の見えないリディアが偉大さを、そしてキューバでも亡命先でも他の作家にはもう残っていない反骨心を体現していることがわかった。ぼくたちの歴史で最も偉大な女性の一人、だが、すっかり片隅に追いやられ忘れられていた。
P376
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haruga6 さん
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