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marie1127 さんのプロフィール

marie1127 さん
女性  愛知県 

自己紹介

蛙と本とアルコールをこよなく愛する日々。
母親が司書なのもあって、ものごころついた頃から読書が日常でした。
書店員として4年間働いていたことも。

ジャンル問わず手当たり次第読むけど、ファンタジーとかサイエンス要素はちょっと苦手…。
海外小説は登場人物の名前が覚えられないので、読破出来た試しがありません…。
誰か、コツがあったら教えてくださりませ(;つД`)
妖怪と歴史と耽美が大好物!!!
京極夏彦に出逢ったことで、あたしの読書人生は変わった、と言っても過言じゃない。

気軽に絡んでくださると、泣くほど喜びます。
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  • 桜の首飾り

    桜の首飾り

    千早 茜 / 実業之日本社 / 文学・評論

    あたしは学校を休んでばかりだから頭がとても悪いけど、クラスの子たちより言葉を知っていると思う。言葉の数とかじゃなくて、その意味や味を知っている。例えば、失望とか、屈辱とか、羞恥とか、後悔とか、孤独とか。だって、あたしはそれらの言葉を口に入れて、噛みしめて、涙がにじむくらいその苦みを舌に浸み込ませて、やっと飲み込んできたから。そして、飲んだ後もその言葉たちによって内臓をぐちゃぐちゃにされたから。本当に、よく知っている。(続きを読む
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    2013/12/18 作成
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り

    千早 茜 / 実業之日本社 / 文学・評論

    「キヌさんはここの桜が咲くのを見たことはないと思うよ。桜染めは花びらじゃなくて、花が咲く前の生木を使うから。花びらからだした色では布には染み込まない。梅も桜もね、褪せない色は幹の中にあるんだ。秘めたものは強いんだよ。生きたまま幽霊を生みだしてしまうくらい」(続きを読む
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    2013/12/24 作成
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り

    千早 茜 / 実業之日本社 / 文学・評論

    けれど、美味しいものを口に入れた瞬間の人間は無防備だ。どんなに気難しい人でも、けっして噓はつけない。その人の素の表情が見られるのよ。桂子はよくそう言っていた。つらい記憶も、ささくれた気持ちも、美味しいものは一瞬癒してくれる。(続きを読む
    2,572 Views
    2013/12/18 作成
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り

    千早 茜 / 実業之日本社 / 文学・評論

    「意味はあるよ」 俺を見上げる。 「私は彼氏のこと好きだったよ」 「そんなことされてもか」 「うん。いいの、好きだったから。殴られても、大喧嘩しても、追いだされても、私は好きだったよ。誰に笑われても、騙されているって言われてもいいの。だって私は精一杯愛したもの。それに悔いはないから。だから、今こんなでも笑える。今回は失敗したけど、また、誰かを好きになりたいって思える」 アイラインに滲んだ目でまっすぐ俺を見つめる。苦笑した。 「馬鹿だなあ、お前」 香澄はわざと嘲りを含ませた俺の言葉に動じなかった。にっこりと笑う。 「馬鹿じゃ駄目なの?少なくとも私は弱虫じゃない。やれることはやった。それでいいの」(続きを読む
    2,511 Views
    2013/12/18 作成
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り

    千早 茜 / 実業之日本社 / 文学・評論

    桜なんて毎年咲くのに、いつだって見る度に目を奪われて、懲りもせず胸に切ないものが込みあげてくる。幸福な夢のような日々がまたぽっと咲くのではないかと期待してしまう。諦めても、諦めても。どんなに身体や心が醜く歪んで老いていっても。春の嵐はいつだって吹き荒れる。 ゆきちゃんは怖いものがないわけじゃない。捨てられない想いがまだあるから彼女も桜が苦手だったのだろう。希望や夢や美しさを恐れてしまううちは、きっと手遅れではない。明日へと続く何かはまだ彼女の中に残っている。そして、春はまたやってくる。 (中略) たとえ一瞬で消えてしまうとしても、花がなくては人は生きてはいけない。心騒がすものが心の在りかを教えてくれるのだから。あの嵐はなんと柔らかく私の心を揺さぶったことか。(続きを読む
    2,479 Views
    2013/12/24 作成
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り

    千早 茜 / 実業之日本社 / 文学・評論

    けれど、今のところ老いとは、見えないものが増えていくことのように感じる。それは、肉体的には細かい字だったり、看板だったり、精神的には一般常識だったり、自分自身だったり、他人の感情だったりしているようだった。まるで、どんどんせばまっていく透明の箱に閉じ込められているように見えた。いつかそれが自分にも訪れるかと思うと、空っぽの胃袋みたいなすうすうした気分になった。(続きを読む
    2,467 Views
    2013/12/18 作成
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り

    千早 茜 / 実業之日本社 / 文学・評論

    「ですから、そういうものだからです。理由なんてありません。昔は人智を超える出来事が常だったのですよ。目先の善悪に囚われてはいけません。すぐに出る答えになんか大した価値はないのですよ。答えなんかない方が当たり前なのですから、本当はね」(続きを読む
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    2013/12/18 作成
  • 弱法師

    弱法師

    中山 可穂 / 文藝春秋 / 文学・評論

    ぼくは思うんだけど、雪も、砂漠も、それから海も、惜しみなく豊かにこの地上に与えれているものは、みんな清潔でどこかしら悲しいような気がする。(続きを読む
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    2013/08/07 作成
  • 弱法師

    弱法師

    中山 可穂 / 文藝春秋 / 文学・評論

    一匹の悪魔と百匹の天使を自身に飼い馴らしているのが作家なら、百匹の悪魔と一匹の天使をおのれの内に棲まわせているのが編集者だ。それがわたしだ。女衒のように作家に近づき、その肉体から彼の命を――小説を――最後の一滴まで絞り取る。からからに涸れ果てるまで、廃人になるまで、自殺して死ぬまで、追い詰めて攻め立てて抱きしめてひれ伏して爆弾を落として夜露に晒して火をつけて水を浴びせて踏みつけて踵を舐めてめったやたらに引き裂いて。この仕事は借金取りに似ている。わたしは神に代わって、作家が神から借りた金――才能――の取り立てをしているのである。(続きを読む
    2,406 Views
    2013/08/07 作成
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