Paragrase “パラグレーズ” ロゴ

『スターバックス成功物語』からの引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『スターバックス成功物語』の読書ノートリスト

  • 全 8 件
  • 並び替え: 新着順 / 人気順
  • 【第24章 真心で指導せよ】  われわれが描く企業像は,揺るぎない大企業であると同時に,良質のコーヒーをすべての人々に味わってもらう使命感に燃える企業に他ならない。スターバックスは世界のあらゆる共同社会に住む人々に一杯のコーヒーを通して素晴らしい体験を提供し,その生活を豊かにしようとしているのだ。  情熱と真心で結ばれた社員,顧客,株主との絆こそ,わが社の重要な基盤なのである。  どんな企業もユートピアにはなれない。しかし,「これで十分」とか「平均以上」といった目標で満足していたら,それだけのことしかできないだろう。他より優れたいと望むなら,より高い目標を目指し,全員が一丸となって取り組まなければならない。困難にぶつかったり,欠点が見つかったら適切に対処し,将来の教訓にすればよい。  スターバックスは今なお,成功するために戦っている。  われわれ経営陣はこれまで小さな問題を解決することによって,将来のより大きな問題に対処する知恵を獲得することができたのだ。  スターバックスの未来を形成する多くの芝らしいアイデアは,社内からわき出てくるに違いない。われわれは常に企業家精神を発揮し,新しいことに挑戦し,自己再生を図ることによって,革新的な雰囲気を生み出すことに全力を注いでいるのである。  イメージが見えたらそれを計画し,ただちに行動に移すがいい。素晴らしいことが実現するだろう。だが,それは実現するだけの価値のあるビジョンでなければならない。その目的が崇高であれば,その報酬はさらに素晴らしいものとなる。  成功を金銭で測ることはできない。そのように人生を旅し,人間としてどれだけ成長したかが問われるのだ。  事業を通して,私たちは協力すればどんなことも達成できるか学べるのだ。一人の人間にできることは限られている。しかし,共通の目標を目指す多くの人々を結集して鼓舞激励し,内に秘められた能力を引き出してあげれば,互いに協力して奇跡を生み出すことができる。  1人だけで目的を達成しても決して心は満たされない。チームでレースを勝ち抜いてこそ,大きな喜びと報酬を分かち合うことができるのだ。  1人の人間の努力ではなく,多くの人々の力を結集して獲得した勝利の意義は大きい。参加した人々すべてが心をこめて達成した成果。そこに自分たちだけでなく人々といつまでも分かち合える喜びがわき上がるのだ。  人々と共に獲得する成功ほどうれしいものはない。 (続きを読む
2368 Views
masudakotaroさん
masudakotaro さん(2013/09/08 作成)
  • 【第21章 企業の社会的責任】  経営者は社員を手厚く扱い,彼らが暮らす地域社会への関心を持つべきだ。  優れれたアイデアが店舗レベルで生まれ,そこから上層部に伝えられることが多い。 【第22章 月並みのチェーン店にはならない】  1996年の後半から実施された計画は,4種類の店舗タイプと4種類のデザインを組み合わせたものとなった。  われわれは問題にぶつかると,それを修正するだけではなく,その過程で今までにない,素晴らしい何物かを生み出すのである。 【第23章 直面する問題だけでなく,長期的展望を見失うな】  最も重要なのは,開店から1年以上たった店舗の毎日の売上の伸び率を示す数字だった。店舗の数が増えれば当然,総売上高は伸びる。しかし,それぞれの店舗の売上は前年より増えているのだろうか。  指導者に最も必要なのは,自分自身が不安を感じているときに人々を鼓舞し,自信を与えられる能力だということを,私はますます確信するようになった。  大企業に成長したスターバックスは,直感や土壇場の転換ではなく計画や方針を必要とするようになっていた。  安定した大企業を育てるには,指導者1人ではかばいきれない諸問題を防止し,解決するための体制を確立しなければならない。このことを自覚した私は経営戦略の転換を図った。自分が心配していることを経営陣だけでなく全社員と話し合うことにしたのである。  過去の実績に甘んじてはならない。短期的な目標の達成が不可能に見えても,最後まで頑張るのだ。  経営者はいつもチアリーダーにはなれないし,またなる必要もないのだ。むしろ社員が会社の偉大な業績を理解すると共に,その弱点や苦境を正しく把握できるようにするべきなのである。  いざと言う場合に,気勢を煽るだけの演説をしてはならない。社員は景気のいい言葉ではなく実質的な指導を求めているのだ。必要なのは行動計画と,その実践方法の他ならない。社員が望んでいるのは問題を解決するための責任と権限を与えられることなのである。  短期的な問題の対応に追われていると,長期的な展望を見失いやすい。経営幹部は特に,問題が切迫しているときに判断を誤ることが多い。より大きな問題を見過ごしてしまうからだ。  優秀な経営責任者は,他の人たちが細かい問題に取り組んでいるときも,常に全体観に立っている。 (続きを読む
  • 2178 Views
    masudakotaroさん
    masudakotaro さん(2013/09/08 作成)
  • 【第20章 成長しても,小さなときの心で】  われわれと競合しているシアトルにある企業は,意図的にスターバックスの向かい側に出店する戦略をとっていることを公表した。これを聞いた時は,さすがにいい気持ちはしなかった。しかし,われわれはスターバックスに来てくれる顧客に全力を注ぐだけであって,他社のことなどは構っていられないのだ。  われわれは,地域の人々に近所にスターバックスの店ができたことを心から喜んでもらいたいのだ。けっして迷惑をかけるつもりはない。出店を歓迎してくれる地域を探すことが,われわれの目標なのである。  1996年度には現金その他で総額150万ドル以上の寄付をしたが,これは純利益の約4%に相当する。  初期のスターバックスで働いた経験のある人たちに,やる気の理由はなんだったのか尋ねてみるがいい。きっと親密な人間関係と共通の目的があったからだという答えが返ってくるだろう。  かつては,スターバックスで最も重要な部署はマーケティングだと考えていた。だが,今では人事部だと断言することができる。スターバックスが成功したのは,われわれが採用し,教育し,昇格させてきた人々のおかげなのだ。マーケティング,設計,不動産,製造,店舗業務,新製品,研究開発を担当する各部門の業績がいかに優れたものであったとしても,物事を解釈し,計画に命を吹き込み,意味のある結果を生み出すのは社員なのだ。各部門がどれだけの実績を残せるかは,人々がお互いをどう思い,どれだけスターバックスのために心を配っているかにかかっている。  全社員にストック・オプションを与えたことは,個人を大切にするという会社の体質を維持する上で最善の選択だったと思っている。  時給が業界の平均よりも高くなるように常に努力してきたし,どこよりも優れた福利厚生制度を整えてきた。  社員の年齢,身体的障害の有無,性格,学習スタイルなどの点でも,積極的に多様性をもたらそうとしている。社員の同棲相手が同じ性別の場合でも手当支給の対象としているのは,政治的判断からではなく,すでに社員として働いている多様なニーズに応えるためなのだ。  歯に衣を着せずに,相手の欠点を単刀直入に指摘し,どうすればよいか教えてあげることこそプロフェッショナルな態度。  パートナーの88%が,仕事に満足している。パートナーの85%が,会社は社員に気を配っていると感じている。パートナーの89%が,スターバックスで働くことに誇りを感じている。パートナーの100%が,仕事に満足するための大切な要因として,「自分が尊敬する会社で働くこと」を挙げていた。  成長に伴う痛みを最も痛切に感じたのは,思いやりと仕事への意欲を持ちながらも,もう一段上の仕事についていけない社員を解雇せざるを得なかった時である。  こちらが期待するほど貢献してくれない社員に対して,どこまで手を差し伸べるべきなのか。  最もやりがいを感じるのは,才能に恵まれた人が,苦難を乗り越えて,会社と共に成長していく姿を目にする時だ。  労働とは単にタイムカードに出勤状況を記録することではなく,もっとやりがいのあるものなのだと信じようとしている人たちがどこの町にもいるのだ。 (続きを読む
  • 2329 Views
    masudakotaroさん
    masudakotaro さん(2013/09/08 作成)
  • 【第18章 1人ひとりに注ぐ真心がブランドを築く】  われわれはブランドの確立を目標に掲げたことはない。われわれの目標は,素晴らしい企業を築き上げることだった。何かを目指す企業。製品が本物であること,社員が情熱を抱くことに価値を見出す企業。  われわれはまず社員の間にブランドを浸透させることから始めた。  顧客の期待に応え,喜んでもらうには,優秀な社員を教育するのが一番だと信じていた。  パートナーの一人ひとりのコーヒーに対する愛着,そして,彼らが顧客と結んだ関係がブランドを築き上げてきたのだ。  アメリカでは,全国的なブランドを有する企業の大半がマーケティング志向といえるだろう。(中略)われわれはむしろ,製品志向,人間志向,価値志向の企業だ。  スターバックスのブランドに対する顧客の信頼は,直営店を舞台にして社員が一人ひとりの顧客と交流を重ねることによって培われてきたのである。  現在のマーケティング理論では,製品に付加価値を持たせる方法が色々説かれている。スターバックスは創業以来コーヒーそのものの価値にこだわり続けてきた。  肝心なのは,あなたが実際に体験するなり評判を聞くなりして,これらの店が町で一番だということを知っているという点なのだ。昔から,地元密着型の小売店は競合相手との差別化を図り,周辺の他の店では得られない商品,サービス,品質を提供することで得意客を獲得し,成功してきた。  大企業のような巨大な資金源がなくても一度に一人の顧客,一度に一軒の店舗,一度に一つの市場と向き合っていけば必ず成功する。  絶えず変化し続けるこの社会において,最も永続性のある強力なブランドは真心から生まれる。それは本物であり,必ず生き残る。(中略)長く続く企業とは信頼される企業にほかならない。  永続性のある卓越したブランドを築くための第一の用件は,魅力的な製品を持つことだ。  われわれはコーヒーを売るために商売をしているのではない。人々を喜ばせたいと思い,その手段としてコーヒーを扱っているのだ。  店員の応対は積極的でお客を満足さえるために労を惜しまない。笑顔で出迎え,お客を1人の人間として対応する。こうした体験は際立った印象を残すに違いない。  スターバックスの製品は単にコーヒーだけにとどまらない。「スターバックス体験」と呼ばれるものも,われわれの製品なのである。  店の雰囲気はコーヒーの品質と同様,ブランド形成に大きな影響を及ぼすのである。  (エイズ・プログラム,小児科病院建設を中心とする児童福祉活動,水質保全と中心とする環境保護,芸術,特にジャズと映画音楽の振興など)こうした後援活動は会社の信用を高めるだけでなく,社内的にも積極的な効果を発揮している。社会還元を行う会社で働くことをパートナーが誇りに感じるようになるのだ。 【第19章 2000万人の新規顧客を獲得する】  スターバックスもこれと同じで,できるはずがないなどとは考えもせずにいろいろなことを行っている。  われわれの目標は,人々が買い物をする場所,遊ぶ場所,働く場所でスターバックス・コーヒーが買えるようにすることだ。  危険を冒さなければ,真に偉大なことは達成できない。  問題が発生し,それまで大切に培ってきたイメージが危険にさらされていると感じたときは,その事業が成功するかどうかという判断を下すのではなく,全力を上げて問題解決に取り組むべきなのである。  何をやるにしても,危険を避けようとしたり,ありきたりの方法で妥協したり,これまでの方式に合わせようとしてはならない。期待されたことをやるだけでは,期待以上の成果を上げることは不可能なのである。 (続きを読む
    2085 Views
    masudakotaroさん
    masudakotaro さん(2013/09/08 作成)
  • 【第12章 こだわりと柔軟性】  ノンファットミルクの1件はスターバックス史上最大の論争に発展したのである。  結局,顧客の言い分を認めざるを得なかったのである。われわれには顧客に選択権を与える義務があった。  われわれは最も大切にしているものの完全性を損ない,めちゃくちゃにしてしまうような事には絶対に手を出さない。(中略)それは,われわれの試金石であり,基盤であり,伝統なのである。  スターバックスの核となる製品を大切にし,どの店でも最高級のコーヒーを顧客に提供する体制を崩さず,どんな新製品に対しても品質を追求する姿勢を忘れないかぎり,われわれは安んじてあらゆるコーヒーの楽しみ方を顧客に提供することができる。多くの楽しみ方を取りそろえることによって,より幅広くスターバックスのコーヒーを人々に紹介することが可能になるのだ。これこそが,われわれの永遠の使命なのである。 【第13章 ウォール街が評価するのは企業の価格であって,価値ではない】  価値観について語るのはたやすいが,それを実践することは難しい。そして,それ以上に困難なのは,その価値観が本物なのか,単なる飾り物なのかを外部の人間が判断することである。  われわれは使命を抱いている。それは,あらゆる地域の人々に素晴らしいコーヒーとは何かを知ってもらうことだ。われわれの目標は,人々を惹きつけ,あわただしい生活の合間に驚きやロマンを感じてもらえる,そんな雰囲気の店を作ることにある。  スターバックスにとっての最優先事項は社員を大切にすることである。なぜなら,社員はわれわれの情熱を顧客に伝える責任を担っているからだ。パートナーや同僚が同じ目標に向かって努力し,協力してくれれば,実に多くのものがえら得るのだ。  特に重要なのは,株価ではなく,会社のために何をすればよいかを基盤にして意思決定してきたことだ。 【第14章 企業の改革は自分の改革から】  新たなレベルに突入するには革新的で大胆な行動に出る必要がある。  バラスの取れた生活を送るのは,決して簡単なことではなかった。家族の要求,仕事上の要求,夫婦生活上の要求,私の個人的な要求を調和させるのは苦労の連続だった。  人生で何かをやり遂げようと思うなら,夢に描いた計画を行動に移すための技能が必要となる。  夢が具体的な形を取る境目を踏み越えた時,夢想家は企業家に生まれ変わる。  企業化が果たすべき責任の中で最も重要なのは,自分の価値観を組織内に浸透させることだ。  システムや業務手順の開発は必要だが,社員の創造性の芽を摘んではならない。 【第15章 経営者は社員の進取の精神を邪魔するな】  社員の企業家精神をいったん封じ込め,後から改めて発揮させようとするのではなく,新入社員として採用した時点から,この精神を育て上げていくべきだと私は確信している。社員の素晴らしいアイデアを上層部が無視すれば,社員はやる気をなくしてしまうのだ。 【第16章 成功しているときも自己改革を目指せ】  会社が存続できるか否かは自己改革ができるか否かにかかっている。  過去のやり方を踏襲するような人間は必要ない。伝統にとらわれない成果というものは,既存の枠組みを超えた発想の持ち主によって生み出されることが多い。 【第17章 危機を乗り越えて】  売上と利益が共に6年連続で年50%の伸びを記録した要因は何か?それは規律と革新,業務手順と創造性,警戒心と大胆さにほかならない。  価格危機を乗り越えたことでスターバックスはより良い企業に成長したのだと思う。  偉大な企業には夢を描くリーダーと有能な経営者が必要だ。前者は売上を伸ばし,後者は利益を上げる。  本分を果たさずに利益を上げたとしても,いったいそれで何を成し遂げたことになるのだろうか。 (続きを読む
    2326 Views
    masudakotaroさん
    masudakotaro さん(2013/09/08 作成)
  •  この日以来,スターバックスでは「従業員」という言葉は使わなくなった。勤続6ヶ月以上の社員は全員ストックオプションを取得する権利を得るので,今ではすべての社員を「パートナー」と呼んでいる。1週間の勤務時間が20時間のパートタイマーでもパートナーなのである。  ビーンストックの導入は社員の勤務態度や業績に直ちに影響を及ぼし始めた。  経費を削減し,売上を伸ばし,新たな価値を生み出すための斬新なアイデアが社員から提案されるようにもなった。  会社の価値を高め,利益を上げる。それがいかに重要であるかを教えることによって,社員の仕事と株主の利益を結びつけたのである。  経営者が取り替えのきく歯車のように社員を扱えば,社員も同じような姿勢で経営者に対することになる。  社員は歯車ではないのだ。彼らは人間であり,皆自分に価値があることを実感したいし,自分や家族の必要を満たすための収入も得たいのである。  社員のひたむきさと献身こそ,スターバックスが競争上優位に立っている最大の要因だ。 【第10章 高層ビルには協力など大が必要】  規模の大小に関わらず何か新たな事業を興す場合には,予想した以上に時間と金がかかることを絶対に頭に叩き込んでおかなければならない。  企業が倒産したり伸び悩むのは,ほとんどの場合,必要な人材,システム,手順への投資を怠るためである。ほとんどの経営者は,この投資に必要な金額を過小評価してしまう。  世界に通用する企業を作りたいのであれば投資が必要だ。企業が成長を続ける間は損失を取り戻すことはできない。しかし,だからと言って,出費の中身を検討もせずに,初めのうちは損が出るものなのだと言い訳をしていればいいというものでもない。  すべての企業家に対して,次のように忠告したい。あなたのやりたいことがはっきりしたら,同じことをやった経験のある人物を見つけることだ。単に経営者としての才に恵まれた人間でなく,あなたを導いてくれる経験豊かな企業家や実業家を探さなければならない。彼らは地雷原を見つけ出す術を心得ているのだ。大胆に行動し,その結果成功した経験を持つ人間は,あなたが同じことを手がけようとするときに助けてくれる。成功したときには自分のことのように喜んでくれる。  助言者があなたに気がつかなかったら,あなたの方からそういう助言者が見つかるまで探し続けることだ。 【第11章 賢い人間を恐れるな】  会社が繁栄するためには,何としても聡明な経営陣が必要なのである。有能で創造的な人物は,イエスマンよりもはるかに強い刺激を与えてくれる。  多くの企業家にとって,自分より経験を積んだ役員を迎えるのは恐ろしいことでもある。そして,実際に彼らに権限委譲するときは,それ以上の怖さを感じる。  あなたを採用したのは,あなたが私よりも優れているからだ。さあ,それを証明してくれ。  製品の質や顧客へのサービスを直接左右するのは社員なのだ。スターバックスが最終的に成功するかどうかは社員にかかっている。製品だけでは何もできない。  道徳,法律,倫理に反しないかぎり,顧客を喜ばせるためには何でもやるべきだ。  ハワードは,社員に活発に意見を述べさせようと,四半期ごとにオープンフォーラムを開催することを思いついた。  社員がある問題で困っていながら,それを率直に語ろうとしない場合,経営者にとって最も建設的な働きかけ方は,その問題を直接取り上げることだ。  全パートナーの誕生日と入社記念日に署名入りのカードを送ると言う慣習も,ハワードの発案によるものだ。  たとえ社員が2万5000人いても,その一人ひとりがかけがえのない人間であることを経営者は理解しなければならない。  ロマンとビジョンのない企業には魂も精神も宿らず,何か素晴らしいことを成し遂げようという社員の意欲をかきたてることはできない。  創造的なアイデアを実行に移し,企業家の描くビジョンを具体化する前に,事業を推進する手順,システム,規律,能率などを勘案して基盤を固めておかなければならない。  多くの若い企業が成熟に至らない原因は,創造性の発現を支援するための組織の構造化や事業運営の確立を怠ったか,過度の構造化で組織が官僚的になり創造性の息の根を止めてしまったかのかのいずれかである。  われわれが勝利を得るのは舞台裏なのだ。裏方が能力を発揮したからこそ,スターバックスは経営的に成功したのである。 (続きを読む
    2390 Views
    masudakotaroさん
    masudakotaro さん(2013/09/08 作成)
  • 【第6章 会社の価値観を植え付ける】  企業家は、会社の発足当初から、社内文化や価値観、指導理念を組織に浸透させなければならない。それが会社の方針や雇用、経営戦略を決める基盤になる。  CEOであろうと幹部社員であろうと、毎日仕事をするに当たって一番大切なのは、会社の価値観をほかの社員、とくに新入社員に啓蒙することだ。企業の規模にかかわりなく、正しい社内文化を確立しなければ成功はおぼつかない。  会社を組織してみれば、自分一人では何もできないことがすぐわかる。心から信頼でいる協力者、自分とは違う能力を持ち、価値観が同じ人物を発見できれば、さらに強力な企業を築くことができる。  事業の成否はどんな社員を採用するかによって決まる。  私たちはみな自分たちの会社を心から信頼し、いつか世界的な大企業に発展することを疑う者は一人もいなかった。  自分の夢がまさに壊れようとする人生の土壇場を経験した人は大勢いるはずだ。このような事態にあらかじめ備えておくことはできない。しかし、問題はどのように対処するかにある。どんなときにも自分の価値観を忘れてはならない。大胆かつ公正に行動し、決してあきらめてはならない。会社を支える人々が誠実であれば、さらに大きく成長できるのだ。 【第7章 現実を見つめ,夢に挑む】  事業計画書などは単なる紙切れに過ぎない。いかに見事な事業計画でも、社員がそれを受け入れてくれなければ何の価値もないのだ。社員が経営者と同じ気持ちになり、心底やり遂げようと決意しなければ、事業を継続することは愚か、軌道に乗せることすらおぼつかない。そして社員は、経営者の判断が信頼でき、なおかつ自分たちの努力が認められ正当に評価されるのだと実感したとき、初めて計画を受け入れるのだ。  究極の事業像=社員が互いに尊敬しあう社風を育むこと。  全社員が共通のビジョンを抱かなければ、われわれの目標は達成できない。 【第9章 社員は経営の道具ではない】  小売店やレストランでは,顧客がどのような体験をするかですべてが決まる。たった一度悪印象を与えただけで,永久にその顧客を失うことになるのだ。パートタイマーとして働く20代の学生や俳優志願者の手に会社の命運が託されているのであれば,彼らを消耗品のように扱ってよいはずがない。  社員を家族のように扱えば社員は誠実に働き,持てる能力のすべてを発揮してくれるだろう。会社が社員を支えれば,社員も会社を支えるようになる。  (1988年の末に全パートタイマーに対して社員と同じレベルの健康保険を適用することになったことについて。)私はパートタイマーがスターバックスにとって極めて重要な存在であることを訴えた。事実,全社員の3分の2はパートタイマーで占められていた。スターバックスの店は開店時間が早く,朝の5時半や6時から営業を開始する場合もある。また,閉店時間も夜の9時過ぎになることが多い。したがって,短時間の交代制勤務に応じてくれるパートタイマーへの依存度が高くなる。パートタイマーは,学生もしくは他の仕事と掛け持ちの人が多い。こうした人々も正社員と同じように健康保険を必要としており,会社は彼らの貢献に対して十分報いるべきである,と私は力説した。  他の小売業では店長の離職率がおよそ50%であるのに対し,スターバックスではわずか25%となっている。  健康保険制度の導入により社員の態度に大きな変化が見られるようになった。会社が社員を優遇すれば,社員は何事にも積極的な姿勢で臨むようになるのだ。  今日でも,スターバックスと同規模の企業で,パートタイマーを含めた全社員に健康保険を適用しているところはほとんどない。  ミッション・ステートメントは,利益の追求よりも社員を最優先する内容となった。  ミッション・レビュー制度。社員は誰でも,会社の目的に反すると思うことがあれば,その問題について報告し意見を述べることができる。  経営陣と社員が率直に意見交換を行うための重要な場を提供。  ビーンストックの導入で,スターバックスの全社員が経営のパートナーとなったのだ。  従業員持株制度は増資を主目的とするものなのだ。  会社の発展がもたらす恩恵を社員にも共有させ,彼らの貢献が会社の価値を高めていることをはっきりとした形で示したかったのである。  私の知るかぎり,これほど広範囲の社員を対象に大がかりなストックオプション制度を導入している企業はスターバックス以外にない。 (続きを読む
    2667 Views
    masudakotaroさん
    masudakotaro さん(2013/09/08 作成)
  • 【プロローグ】  社員の利益を図ることはコストが増え利益が減るどころか、経営者が予想もしなかったようない企業に発展するための強力な活性剤になることを把握する必要がある。  自分が働いている会社が好きになり、会社の方針や目標に共感した社員は、会社の発展のために努力するようになる。社員が自尊心と誇りを持てば、さらに会社や家庭、社会に貢献するに違いない。  成功しても一人だけでゴールインしたのでは味気ない。同志と共に勝利を手にすることこそ最高の喜びなのだ。 【第1章 想像力,夢見る日々,貧しき家庭に生まれて】  勝つことに執念を燃やすハングリーな選手は、いざというときに一流の選手をしのぐ力を発揮する。  飛び込み訪問販売は、ビジネスの貴重な訓練になった。おかげで自分を見つめることができた。 【第2章 価値ある文化的遺産があなたの未来を支える】  三人がスターバックスを創立した理由はただ一つ、コーヒーや紅茶を愛し、シアトルの人々に最高のものを味わってもらいたかったのである。  ジェリーは売り上げを伸ばすことなど考えず、ただ自分がこれだと信じたものを人々に提供することに専念しているのだ。  顧客の要求するものを提供するだけではだめなのだ。顧客の知らない物や最高級品を提供すれば、顧客の味覚が磨かれるまで多少時間はかかるかもしれない。だが、顧客に発見の喜びと興奮を与え、ロイヤリティを確立することができるのだ。優れた商品を提供しさえすれば、たとえ時間はかかっても、客は必ずそれを選択するようになる。大衆市場に媚びる必要はないのだ。 【第3章 コーヒーはイタリア人にとって音楽のような存在だ】  そんなことは不可能だと言われたことは数え切れない。そのたびに忍耐力を奮い起こして誠心誠意相手を説き伏せ、不可能を可能にしてきたのである。  私はイタリアのコーヒー文化をシアトルに持ち帰り、周囲の人たちを啓蒙することに努めた。 【第4章 幸運とは計画の副産物だ】  不運があきらめから生じることは間違いないが、幸運はそれを目指した者がつかむのだ。  企業と社員の間に築かれた信頼関係ほど大切なものはない。  経営者から正当な報酬を受けていないと感じた社員は、疎外されたと思うだろう。社員が経営者に不信感を抱くようになったとたんに、その企業の将来は危うくなる。  経営者が新しいアイデアに耳を傾けようとしない会社は、大きなチャンスを逃すことになる。  仕事は毎日、忙しかった。(中略)しかし、自分の夢は抱き続けた。  これが私の夢なのだ。結果がどうなろうと、やらなければならない。  頂点に立つ有能な人物と、より才能に恵まれていながら能力を発揮できない人物とは、どこが違うのだろうか。  成功の要素にはタイミングとチャンスがある。しかし、本当は自分自身でチャンスを作り出し、ほかの人たちに見えない大きなチャンスが見えたときには、いつでも飛びつけるように準備をしておくべきなのだ。  夢見ることは大切だが、絶好のチャンスと思ったときには、慣れ親しんだ場所を飛び出して自分自身の道を発見しなければならない。 【第5章 悲観的な人間には大企業は築けない】  惨めな負け犬でいたくなかったら逆境に挑戦し、平凡な人生という最悪の運命を克服しなければならない。  ロンは資金計画ではなく、私の純粋な誠意と情熱に投資したのだ。  どんな場合にも情熱が大切な要素であることは確かだ。いかに優れた事業計画でも、それを推進する人たちの熱意と誠意がなければ成果を上げることはできない。  ロンが投資したのは私という人間であって、私のアイデアではなかった。  私は1年かけて資金を集めようと頑張った。242人に呼びかけて217人に断られたのだ。  最もつらかったのは、いつも明るく振る舞わなければならなかったことだ。  どんなに意気消沈していても、最初に会ったときと同様に、はつらつとした自信にあふれる態度を示さなければならないのだ。 (続きを読む
    2371 Views
    masudakotaroさん
    masudakotaro さん(2013/09/08 作成)
  • キーワードで引用ノートを探す
    Copyright © 2024 Culturelife Inc. All Rights Reserved.