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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

  • 全 233 件中 141 〜 150 件の引用ノートを表示
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  • 堕落論 (角川文庫クラシックス)
    芭蕉は庭をでて、大自然のなかに自家の庭を見、また、つくった。彼の人生が旅を愛したばかりでなく、彼の俳句自体が、庭的なものを出て、大自然に庭をつくった、と言うことができる。その庭には、ただ一本の椎の木しかなかったり、ただ夏草のみがもえていたり、岩と、浸み入る蝉の声しかなかったりする。この庭には、意味をもたせた石だの曲がりくねった松の木などなく、それ自体が直接な風景であるし、同時に、直接な観念なのである。『日本文化私観』より(続きを読む
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    NKazuyoshiさん
    NKazuyoshi さん(2012/12/16 作成)
  • クワジーモド詩集

    クワジーモド詩集 の引用ノート

    サルヴァトーレ クワジーモド / 思潮社

    おそらく このまま死ぬだろう…… 予見し、目に見えるどの方向に向かうとしても 体も心も生命と死に対しても忠実でありたい(続きを読む
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    Yuhiさん
    Yuhi さん(2012/12/12 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    バルガス=リョサは、「小柄で黒髪に色白、スズメバチのような細いウエストをした、頭の回転が速いフローラの最大の魅力は、決して運が良いといえない人生の中で、自分の不幸を決して他人のせいにしたり嘆いたりせずに、頭をあげて逆境に立ち向かっていったところだ。その反逆心に満ちた強い性格、夢想や感受性のおかげで、めぐり合わせた人生の悲惨さを、自らの活動に着想を抱かせる素材へと昇華させていくことができた」と、スペインの新聞のインタビューで述べている。 P501(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    バルガス=リョサの政治的思想を巡る180度の転換の背景として、キューバ革命の中で、平等の理念を実現していく過程で、同一化を巡るさまざまな問題が露呈されたことによって、彼は同一化を認めることはできない、多様性の中での共存こそ自由である、と考えるようになったこと、その一方でユートピア的な思想やラジカルな選択は避けるべきである、良識こそが政治的美徳の最良のものである、との彼の主張に、カミュやアイザイヤ・バーリンの思想の影響の存在が指摘されている。 P497(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    バルガス=リョサは十代でサルトルの作品に心酔し、他の多くのラテンアメリカの知識人同様、キューバ革命には当初から支持を表明してきた。だが1968年の旧ソ連によるチェコスロバキア侵略をカストロが支持したこと、それに続いて起こったエベルト・パディジャら五人の作家が自らの反革命活動を自己批判させられた「パディジャ事件」によって、キューバ革命政権と決別した。しかし、それでも当時は、資本主義と社会主義のうちどちらかを選ばねばならないとしたならば、歯を食いしばってでも社会主義と答えると、社会主義への支持を表明していた。それが、平等を志向するような社会よりも、たとえ、独裁的なものであれ自由な社会にはより多くの自由がある、との彼の発言が示しているように、現存の社会主義のあり方を否定する一方で、現代資本主義への批判的な観点を喪失してしまったような姿勢が、読者たちの戸惑いの原因だった。 P496(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    時々、マルキーズ諸島ではなく、日本にいる自分を彼は想像していた。おまえは月並みなポリネシアではなくて、あの国へ楽園を探しに行くべきだったのだよ、コケ。洗練された日出づる国では、人々は一年のうち九か月を農業に従事し、残りの三か月を芸術家として生きるという。日本人とはなんとまれなる民族だろうか。彼らのあいだでは、西洋芸術を退廃に追いやった芸術家とそれ以外の人々のあいだの悲劇的な隔たりはなかった。日本ではすべての人がいかなることにも従事できた。百姓であると同時に芸術家でもあり得た。芸術とは自然を真似るのではなく、技術を習得し、現実の世界とは異なる世界を創ることだった。日本の版画家たちよりうまくこれをやった者はいなかった。 P472~P473(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    熱い議論が飛び交う会議は夜遅くまで長引くこともあったが、フローラを困惑させたのは彼女が提案した大きなテーマーー老人や病人、事故にあった労働者のためのユニオン殿堂、すべての人が無料で受け取ることのできる教育、働く権利、国民の擁護などーーについて討論しないで、取るに足りないことや陳腐なこと、ばかばかしいことに時間を費やしていることだった。おさだまりのごとくある労働者が、あなたは本の中で「子供たちにパンを買うべき金を酒場に行って飲んで浪費してしまっている」と書いて労働者たちを批判していると、フローラを非難した。また、サン=マルタン通りに近いジャン=オーベールの袋小路にある屋根裏部屋での集会で、ロリーという名の大工が、フローラにふいに言い出した。「ブルジョワを前に労働者の悪癖を暴き立てるなんて、あなたはとんでもない裏切り行為を犯しましたよ」フローラはかれに答えた。偽善や嘘がいつもブルジョワの武器であるように、真実はプロレタリアの一番の武器であるべきだ、と。何と言われても言いたい人には言わせせておこう。悪癖は悪癖だし、粗野なことは粗野、と彼女は言い続けるだろう。 P455~P456(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • クドリャフカの順番―「十文字」事件
    疲れたと言ってはいけないよ。疲れたというのは、わたしはもう充分やったから次はあなたがやりなさい、と聞こえるからね。もしどうしても疲れたときは、少し休ませてと言うんだよ。休んだらまたやりますと聞こえるからね。 *203頁より*(続きを読む
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    Yuhiさん
    Yuhi さん(2012/12/08 作成)
  • クドリャフカの順番―「十文字」事件
    「ひとにものを頼むという行為は、二種類に分けられる。一つは、見返りのある頼みごと。もう一つは、見返りのない頼みごと。  見返りのある頼みごとの場合、相手を信用してはいけない。長い付き合いにならないことが予想される場合、相手は十中八九、やらずぶったくりを考える。仮に考えなかったとしても、必ず、自分の労力を最少にしようとする。だから、見返りを用意した場合は、相手が自分が頼んだだけの仕事をしてくれるとは思わず、日程と作業量に十分な余裕を持たせる。相手が動かなかった場合のことも考えて予備の計画を用意しなくてはならない。それが嫌なら、相手にもリスクを負わせることだ。  やらずぶったくりを狙う心理を逆に利用して結果的に手伝わせる手もあるが、これはお前には難しいだろう。あくまで短期間ならの話だが、信を置くに値するのは後者、見返りのない方だ。  その場合、相手を動かすのは精神的満足感だ。物質的満足感を得るための行為で手を抜くことはあっても、精神的満足感を得るための行為で手を抜くことはない。『カリスマ性』『伝統性』を使えれば最高なんだが、これは使いたいと思って使えるものではない。『信仰』『愛』も強力だというが、下準備に十分な時間が必要になる。まあ、この二つは私も使ったことがない。  できれば『正義感』『使命感』や『プロ意識』、『自尊心』を使いたいが、これも中級以上だろうな。コツがわかると、この辺は汎用性があるんだが。  逆を攻めれば、『恐怖』や『露悪趣味』というのも考えられる。いまは関係ないがな。  お前がいますぐにでも使えそうな、初歩的なのは『期待』だろう。  相手に『自分に頼る他にこいつには方法がない』と思わせることだ。自分は唯一無二の期待をかけれらている、と感じた人間は、実に簡単に尽くしてくれる。自己犠牲さえ厭わないことも、珍しくない。相手に期待するんだ。ふりだけでいい。  加えて、一つ注意することがある。問題をあまり大きく見せてはいけない。『自分が助けると、こいつは絶体絶命のピンチを脱出する』と思わせては駄目だ。自分のちょっとした手助けで他人が莫大な利益を得たり致命的な不利益を回避したりすることを快く思う人間は、多くはない。自分には些細なことだが相手にはそこそこ大事なことらしいな、というラインで攻めるのが重要だ。優越感をくすぐれる。 ( もう一つ。できれば人目のないところで、異性に頼むことだ。)」 *118~120頁より* 「……期待って言葉を軽々しく使いすぎる。……自分に自信があるときは、期待なんて言葉を出しちゃあいけない。……期待っていうのは、諦めから出る言葉なんだよ。時間的にとか資力的にとか、能力的にとか、及ばない諦めが期待になるんだよ。ネルソンが、英国は諸君がその義務を果たすことを期待するっていう旗を揚げたとき、ネルソンは自分一人でフランスに勝てるとは思っていなかった。期待ってのは、そうせざるを得ないどうしようもなさを含んでいなきゃどうにも空々しいよ。……自分にもできると思っていて、そんなこと言うもんか。」 *278~279頁より* (続きを読む
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    Yuhiさん
    Yuhi さん(2012/12/08 作成)
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