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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

  • 全 233 件中 151 〜 160 件の引用ノートを表示
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  • 怪談―不思議なことの物語と研究 (岩波文庫)
    怪談 虫の研究(続きを読む
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    NKazuyoshiさん
    NKazuyoshi さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    今でもそうだろう、コケ。近年おまえが発言したり、文字に表してきた芸術上の問題に関する無数の肯定・否定の背後にある、動かせない核心はいつも同じだった。西洋美術は原始芸術の中にある生活の総合体から分離することによって衰退してしまった。原始芸術では、美術は宗教とは切り離すことはできず、食べることや飾ること、歌うこと、セックスをすることと同様に、日常生活の一部を形成している。おまえは作品にこの伝統を復活させたかった。 P422(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    それでおまえは決心したのだ。もう別れる頃合だと。この共同生活はうまくいかないだろう。食卓の会話でそれとなく話題にするように努め、一緒に年越しをしようと予定していたが、もしかすると家族の都合で、年が明ける前にアルルを発つことになるかもしれないと触れて、おまえはそつなく別れの準備をはじめた。そのように取り繕わないほうがよかったのかもしれないね、ポール。オランダ人はおまえがすでに出ていく意思を固めていると気づいて、神経を高ぶらせ、ヒステリー状態になり、精神が不安定になった。愛する人に置き去りにされる絶望した愛人のようだった。目に涙をため、しゃがれた声で、年が終わるまで一緒にいてくれと哀願し、そうでなければ、取り返しのつかない被害を彼に与えでもしたかのように、恨みと憎しみをこめておまえを見つめながら、何日も口をきかなかった。おまえのことを、強くて闘士であると見込んでしがみつこうとしている、世間に対して無力で見捨てられたその人間に、おまえは限りない哀れみを感じた。けれども、そうでないときはおまえは憤慨していた。狂ったオランダ人の問題を負わされなくても、おまえにはもうすでに難題が有り余るほどあった。 P336-337(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    だからおまえはひまわりに囲まれているフィンセントを描いたのだ。その絵にはーーどのように見てもーーフィンセントが自分の絵に描きこんでいた生き生きした光はなかった。その反対に、どちらかといえばくすんでいて艶がなかった。その作品の中では、花も画家も輪郭をぼかしてぼんやりと周りに溶け込んでいた。しっかりと輪郭を描かれた人物というより、フィンセントはひとつの彫像で、耐えられないほど緊張してこわばっている剥製のようなマネキン人形で、今にも爆発しそうな火山男だった。とりわけ絵筆を握る硬直した右腕は、絵を描きつづけるためにしなければならない非人間的な努力を示していた。それらすべては、しかめた顔に、「俺は描いていはいない、自分を生贄にしているのだ」と言っているかのような、困惑気味の視線に集約されていた。フィンセントはその肖像画がまったく気に入らなかった。それをポールが見せると、フィンセントは青ざめて下唇を噛みしめ、不快なときに出てくるチック症状を見せながら、しばらく眺めていた、そして最後にこうつぶやいた。「そうだよ、これが俺だよ。でも狂っているね」 P335-336(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    その花々にはどこか神々しい天球の炎めいたものが感じられ、フィンセントがそうしたように、もし心をこめてじっと観察したならば、「光輪」が花々を取り巻いているのがわかった。彼はひまわりを描きながら、正真正銘のひまわりでありながら、トーチや大燭台でもあるように努力していた。 P335(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    その自画像を描いていて、アルルの「黄色い家」に雨と北西風に閉じ込められたあの数週間に、オランダ人を虜にした花、ひまわりを描くフィンセントの肖像画を描いたことをポールは思い出した。彼は飽きずにいつもその花を描いていた。 P335(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    それで彼は、最後の自画像を描こうと決心した。それは落ちぶれて無為のまま、堕落し、士気喪失したマルキーズの人々の間で、彼らと同じように忘れられた世界の片隅で零落している自分自身の姿を、身をもって証すことだった。彼はイーゼルの横に鏡を置いて、衰えた瞳がようやく捉えた、今にも消えてしまいそうに霞んだその像をキャンヴァスに描き取ろうとして、二週間以上作業をした。間近に迫る避けようもない自分の最期を、屈辱的な眼鏡の奥で視線にその分別をたたえながら静かに見つめている、ぐったりしているがまだ死んでいない男。その視線の中で、冒険や狂気、探究、敗北、闘争に満ちた激しい人生が語られていた。一つの生命には必ず終わりが来るものだよ、ポール。白い短髪に痩せた体躯、そして平然たる大胆さをもって最後の攻撃を待っている。おまえは確信してはいなかったが、たくさん描いてきた自画像ーーブルターニュの農民の姿で、ツボの曲面に描かれたペルーのインカ人の姿で、ジャン・ヴァルジャンになぞらえて、オリーヴ園のキリスト教のように、ボヘミアンとして、あるいはロマンティックな人物像としてーーの中でこれが、別れの、人生の終局を目前にした芸術家の自画像が、もっとも自分を現していると直観的に感じてきた。 P334(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    長いあいだ、アブサン酒をちびちび飲みながら、フィンセントはときにはおまえの理解を超えるようなことを話した。けれども、夜明けにフィンセントが、目に涙をためてうめくようにして言った言葉を、おまえは理解したし、けっして忘れはしなかった。 「自分の絵が人々に精神的な慰めを与えられたら、と俺は思っているんだよ、ポール。キリストの言葉が人々に慰めを与えたようにな。古典絵画では『光輪』は永遠を意味していた。その『光輪』とは今、俺が絵の中で色彩の放射と振動とで取り戻そうとしているものなんだ」 ポール、おまえには彼の絵で使われている色彩が暴力的で度を越していると思えて、その花火のような眼をくらませる光景が好きではなかったが、それからは、以前よりも敬意を払っていたね。狂ったオランダ人には、おまえの背筋を時にぞくっとさせるような殉教者のような資質があった。 P329(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    おまえがおまえが狂ったオランダ人に感謝しなければならないとしたら、彼が初めて、おまえの関心をポリネシアに向けてくれたことだ。彼が手に入れ、気に入っていた小説、フランス商船の高級船員ピエール・ロティの『ロティの結婚』のおかげだった。その小説はタヒチが舞台で、そこでは美しく肥沃な自然の中、人々は自由で健全で、偏見も悪意もなく、自然のまま本能のまま快楽に身を委ねながら暮らしていて、野性的な情熱と活力に満ちた、削減する前の地上の楽園だった。人生に矛盾なんてよくあることだよ、ちがうかね、コケ。文明が西洋社会から取り除いてしまった根源的、宗教的な力を求めて、金銭が支配する頽廃したヨーロッパから、エキゾティックな世界へ逃れることを夢見ていたのは、フィンセントだった。けれども彼はヨーロッパの監獄から逃げ出すことはできなかった。それに対して、おまえはタヒチに行ったし、今はマルキーズ諸島まで屋ってきて、狂ったオランダ人が夢みたものを現実にしようとしていた。 「喜んでくれよ。おまえの夢を叶えてやったよ、フィンセント」とコケは声を張り上げて叫んだ。「ほら、ここに『愉しみの家』ができたよ。おまえはアルルで俺の人生をひどく狂わせやがったが、憧れのオルガスムスの家だ。俺たちが考えていたようなものにはならなかったけどね。おい、わかったか、フィンセント」 P328(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
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