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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

  • 全 233 件中 201 〜 210 件の引用ノートを表示
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  • トニオ・クレエゲル (岩波文庫)
    人間社会では、あんまり懐疑的で意見を吐かずにいると、ほんとはただ高慢で臆病なのに、ばかだと思われることがよくあるものです。『認識』についていうことはこれだけです。(続きを読む
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    tmkn さん(2012/11/19 作成)
  • 悪の教典 下 (文春文庫)
    他人の痛みを想像できない人間は、本質的には、蓮実と何ら変わらないのだから。(P.434)(続きを読む
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    itokoさん
    itoko さん(2012/11/19 作成)
  • ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々
    アメリカの紳士はもはや真の紳士ではない、、、彼らには完全な自己抑制を伴う自尊心が欠けている。それは本来、名家の紳士として生まれ、申し分のない教育を受け、十分な家産を持ち、自己と他者の立場をわきまえている者には自然に備わっているものだったのに P189(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/11/19 作成)
  • ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々
    フェニーチェでは、オペラの上演中も客席の照明が完全に消されることはなかった。照明は仄暗い状態が保たれたため、観客は上演中も周囲の彫像を見ることができたんだ。そのとき、彫像は観客の同伴者になった。たとえ劇場に一人で出かけたとしても、周囲の彫像が観劇の相手になってくれたのさ。こういう関係を、現代のモダンな劇場は一切顧慮しない。焦点はひたすら舞台にあって、そこで演じられているものこそが神聖なんだ。観客は静寂を保って、じっと見入らなければならない。現代の劇場は無味無臭の場所であって、優秀な音響効果と、見晴らしのよさは保っていても、温かみのある場内の装飾が一切ない。そこにはもはや共に観劇を楽しんでくれる相手がいないんだよ。 P131(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/11/19 作成)
  • 山椒大夫・高瀬舟 (新潮文庫)
    安寿はそこに立って、南の方をじっと見ている。目は、石浦を経て由良の港に注ぐ大雲川の上流をたどって、一里ばかり隔った川向いに、こんもりと茂った木立ちの中から、塔の尖さきの見える中山に止まった。そして「厨子王や」と弟を呼びかけた。「わたしが久しい前から考えごとをしていて、お前ともいつものように話をしないのを、変だと思っていたでしょうね。もうきょうは柴なんぞは苅らなくてもいいから、わたしの言うことをよくお聞き。小萩は伊勢から売られて来たので、故郷からこの土地までの道を、わたしに話して聞かせたがね、あの中山を越して往けば、都がもう近いのだよ。筑紫へ往くのはむずかしいし、引き返して佐渡へ渡るのも、たやすいことではないけれど、都へはきっと往かれます。お母あさまとご一しょに岩代を出てから、わたしどもは恐ろしい人にばかり出逢ったが、人の運が開けるものなら、よい人に出逢わぬにも限りません。お前はこれから思いきって、この土地を逃げ延びて、どうぞ都へ登っておくれ。神仏かみほとけのお導きで、よい人にさえ出逢ったら、筑紫へお下りになったお父うさまのお身の上も知れよう。佐渡へお母あさまのお迎えに往くことも出来よう。籠や鎌は棄てておいて、子かれいけだけ持って往くのだよ」  厨子王は黙って聞いていたが、涙が頬ほおを伝って流れて来た。「そして、姉えさん、あなたはどうしようというのです」 「わたしのことは構わないで、お前一人ですることを、わたしと一しょにするつもりでしておくれ。お父うさまにもお目にかかり、お母あさまをも島からお連れ申した上で、わたしをたすけに来ておくれ」 「でもわたしがいなくなったら、あなたをひどい目に逢わせましょう」厨子王が心には烙印やきいんをせられた、恐ろしい夢が浮ぶ。 「それはいじめるかも知れないがね、わたしは我慢して見せます。金で買った婢はしためをあの人たちは殺しはしません。多分お前がいなくなったら、わたしを二人前働かせようとするでしょう。お前の教えてくれた木立ちの所で、わたしは柴をたくさん苅ります。六荷までは苅れないでも、四荷でも五荷でも苅りましょう。さあ、あそこまで降りて行って、籠や鎌をあそこに置いて、お前を麓へ送って上げよう」こう言って安寿は先に立って降りて行く。  厨子王はなんとも思い定めかねて、ぼんやりしてついて降りる。姉は今年十五になり、弟は十三になっているが、女は早くおとなびて、その上物に憑つかれたように、聡さとく賢さかしくなっているので、厨子王は姉の詞にそむくことが出来ぬのである。  木立ちの所まで降りて、二人は籠と鎌とを落ち葉の上に置いた。姉は守本尊を取り出して、それを弟の手に渡した。「これは大事なお守だが、こんど逢うまでお前に預けます。この地蔵様をわたしだと思って、護り刀と一しょにして、大事に持っていておくれ」 「でも姉えさんにお守がなくては」 「いいえ。わたしよりはあぶない目に逢うお前にお守を預けます。晩にお前が帰らないと、きっと討手うってがかかります。お前がいくら急いでも、あたり前に逃げて行っては、追いつかれるにきまっています。さっき見た川の上手かみてを和江わえという所まで往って、首尾よく人に見つけられずに、向う河岸へ越してしまえば、中山までもう近い。そこへ往ったら、あの塔の見えていたお寺にはいって隠しておもらい。しばらくあそこに隠れていて、討手が帰って来たあとで、寺を逃げておいで」 「でもお寺の坊さんが隠しておいてくれるでしょうか」 「さあ、それが運験うんだめしだよ。開ける運なら坊さんがお前を隠してくれましょう」 「そうですね。姉えさんのきょうおっしゃることは、まるで神様か仏様がおっしゃるようです。わたしは考えをきめました。なんでも姉えさんのおっしゃる通りにします」 「おう、よく聴いておくれだ。坊さんはよい人で、きっとお前を隠してくれます」(続きを読む
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    さん
    さん(2012/11/19 作成)
  • ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々
    というのも、イタリア人にとって、オペラとは単に舞台で演じられる芸術にとどまらないんだよ。オペラを観に行くとはどういう体験かといえば、まずは胸躍る期待からはじまり、その夜のための盛装をし、劇場に向かい、その夜のメイン・イヴェントが演じられる場所に入ってゆく。つまり、一連の愉しみがしだいに深みを増してゆく、一種の祭儀なんだな。舞台が寺院であろうと、円形闘技場であろうと、劇場であろうと、すべての祭儀がそうであるように、そこに至るまでのセッティングこそはその体験の重要な一部なのさ。メドゥーナが企図したのは、劇場内部の装飾が観客席において最高潮に達することだった。 P130(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/11/15 作成)
  • ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々
    人々は小さな広場で芝居を演じたり仮装パーティに興じたりした。その興奮がほどなくヴェネチア全域に広がり、観光客も加わって、ついには商業的なイヴェントに発展した。何よりも目立つそのシンボルが、街中に増殖した仮面ショップだったと言っていいだろう。それは色彩とファンタジーにあふれた小さな店舗で、派手な照明を施したショウ・ウインドウは暗い路地を一年中明るく照らし出した。たちまちのうちに、仮面はヴェネチアを訪れる観光客好みのイコンになった。が、新しい仮面ショップが一軒オープンするたびに、青果店やパン屋や肉屋が一軒減って、市民たちを慌てさせた。彼らはトマトや食パンを買うために、従来の2倍も遠いところまで歩いて行かざるを得なくなったのである、仮面ショップは、ヴェネチアという街が、その住民の暮らしの利便性を犠牲にして観光ブームに屈した、嘆かわしいシンボルになったのだった。 P126(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/11/15 作成)
  • ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々
    「たしか、サン・マルコ広場には鳩の餌を売るスタンドが八つありますね。あれを全部撤去する、というのはどうです?」 「ええ、たしかにそれは理にかなった案ですな」 「でも、実現できない、と。なぜできないんですか?」 「理由は二つあります。一つ。ヴェネチアとしては、観光客に楽しんでもらいたい。で、観光客が何より楽しみにするのは鳩との出会いなのです。二つ。信じられないかもしれませんが、トウモロコシを一袋四リラで売るのは、途方もなく儲かるビジネスなのです。だから、あのスタンドのオーナーたちは、喜んで三億リラ(15万ドル)の専売特権を市に払うのですよ。しかし、その一方で我々は、鳩に餌を与えられる地区を厳しく制限しています。それはサン・マルコ広場でのみ合法で、それ以外のいかなる地区でも禁じられているのです。サン・マルコ広場から十歩でも外に出たところで鳩に餌を与えている現場を見つかったら、10万リラの罰金を科されますからね」 「そいつは馬鹿げた話ですね」 「馬鹿げた話どころじゃありませんな」スカットリン博士は言った。「理屈に合わないし、偽善的だし、無責任だし、危険だし、不正直だし、堕落しているし、不公正だし、完全に狂っています」彼は深々と椅子にもたれた「わがヴェネチアにようこそ」(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/11/15 作成)
  • ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々
    フェニーチェの火災の、だれもが内省を強いられた余波のなかで、ヴェネチア人は私自身が自分に発したい問いを自らに投げかけているようだったーーそれはつまり、かくも超俗的で自然に反した環境で暮らす意味はいったい何なのだろう、という疑問である。かつてヴァージニア・ウルフが ”陽気で、神秘的で、無責任なすべてのものの遊び場” と呼んだものが、果たしていまのヴェネチアには残っているのだろうか?(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/11/15 作成)
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