Paragrase “パラグレーズ” ロゴ

『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

  • 全 233 件中 41 〜 50 件の引用ノートを表示
  • 並び替え: 新着順 / 人気順
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    「意味はあるよ」 俺を見上げる。 「私は彼氏のこと好きだったよ」 「そんなことされてもか」 「うん。いいの、好きだったから。殴られても、大喧嘩しても、追いだされても、私は好きだったよ。誰に笑われても、騙されているって言われてもいいの。だって私は精一杯愛したもの。それに悔いはないから。だから、今こんなでも笑える。今回は失敗したけど、また、誰かを好きになりたいって思える」 アイラインに滲んだ目でまっすぐ俺を見つめる。苦笑した。 「馬鹿だなあ、お前」 香澄はわざと嘲りを含ませた俺の言葉に動じなかった。にっこりと笑う。 「馬鹿じゃ駄目なの?少なくとも私は弱虫じゃない。やれることはやった。それでいいの」(続きを読む
    2,436 Views
    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/18 作成)
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    「ですから、そういうものだからです。理由なんてありません。昔は人智を超える出来事が常だったのですよ。目先の善悪に囚われてはいけません。すぐに出る答えになんか大した価値はないのですよ。答えなんかない方が当たり前なのですから、本当はね」(続きを読む
    2,373 Views
    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/18 作成)
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    「馬鹿らしくって関わっていられないって感じですか」 そういうわけじゃない。けれど、説明しても無駄な気がする。画びょうで壁にぎゅっと貼りつけるような言い方だった。(続きを読む
    2,569 Views
    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/18 作成)
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    けれど、今のところ老いとは、見えないものが増えていくことのように感じる。それは、肉体的には細かい字だったり、看板だったり、精神的には一般常識だったり、自分自身だったり、他人の感情だったりしているようだった。まるで、どんどんせばまっていく透明の箱に閉じ込められているように見えた。いつかそれが自分にも訪れるかと思うと、空っぽの胃袋みたいなすうすうした気分になった。(続きを読む
    2,386 Views
    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/18 作成)
  • 地獄の季節 (岩波文庫)
    見飽きた。夢はどんな風にでも在る。 持ち飽きた。明けても暮れても、                 いつみても、街々の喧騒だ。 知り飽きた。差し押さえをくらった命。       ―― ああ、『たわ言』と『まぼろし』の群れ。 出発だ。新しい情と響きとへ。(続きを読む
    2,485 Views
    yanyakassaino9 さん(2013/09/28 作成)
  • 孤島 (筑摩叢書)

    孤島 (筑摩叢書) の引用ノート

    ジャン グルニエ / 筑摩書房

    たとえば、  生まれた海岸はちがっていても、   おなじように太陽の光りを愛し、    肉体のすばらしさを愛する人間がやってきて、     とても真似のできない言葉で、      つぎのようにいってくれなくてはならなかった  ~この世界の外見は、なるほど美しい。     だが、それらはやがて消え去るべきものだ。       だから、いまのうちに、ひたむきに           それらを愛さなくてはならない、と。~          孤島 (筑摩叢書)  ジャン・グルニエ                   序文:アルベール・カミュ(続きを読む
    3,011 Views
    yanyakassaino9 さん(2013/09/28 作成)
  • 隣人が殺人者に変わる時―ルワンダ・ジェノサイド生存者たちの証言
    1994年のことである。ルワンダの「ニャマタ」という地域の丘で,ツチ系住民およそ5万9千人のうち約5万人もがマチェーテ(なた)を持ったフツ系の兵士や隣人たちによって虐殺された。この虐殺は4月11日(月)に始まり,5月14日午後2時まで続き,その間毎日欠かさず,午前9時半から午後4時のあいだに行われたのである。 【17歳,農婦,裁縫師】 ある日,インテラハムエがパピルスの葉の下にいるママを発見しました。ママが立ち上がり,お金を払うからマチェーテのひと振りで殺してくれと申し出たとき,彼らは服をはぎ取り,お金を奪いました。そして両腕を切り落とし,その後両足も切り落としたのです。(中略)殺し屋たちは,致命傷とすぐわかるようなきり方はしません。(中略)ママは激痛の中,死ぬまでの3日,耐えました。 【14歳,牛飼い】 僕の長姉は苦痛がないように殺してくれと,知り合いのフツに頼んだ。彼は「わかった」と返事をし,草むらまで彼女を引きずっていき,こん棒で一撃を加えた。しかし近くの人が,「彼女は妊娠している」と叫ぶと,ハキズマはナイフで彼女の腹を裂き,袋のように開いた。想像を絶する恐ろしい光景だった。 【38歳,教員】 フツの目に,私たちは人のようには見えず,動物のように映っていたのでしょう。フツは私たちを動物のように見ることになれていき,動物のように私たちを追いました。でも本当のところは,彼らが動物のようになって言ったのです。彼らは殺しやすいようツチの人間性を奪ったのですが,自身が獣以下に落ちていきました。なぜ,何のために殺しているのかが,もはやわからなくなっていました。彼らは狂ってしまったのです。あるインテラハムエは,身ごもったツチの女性を捕まえると,腹を切り裂くのです。ブチハイエナでさえ,そんな邪悪なことを考えないでしょう。 彼らは井戸の後ろに隠れている子どもを発見しました。小さな女の子でした。彼らは彼女を切り始めました。私は隠れながら,すべてを聞いていました。彼女は命乞いさえせず,ただ死ぬ前に少しだけつぶやきました。「主よ」。そんな言葉でした。そして,かすかな悲鳴をあげました。 戦争は知性と愚かさが原因であり,ジェノサイドは知性の喪失が原因です。当時を語るとき,いつも私をまごつかせるのは,殺人者のもつ邪悪さです。もし殺人をしなければならないのなら,ただ殺すだけでよかったのに,なぜ足や腕を切り落とさなければならなかったのでしょうか。 彼らは切断して不自由にするという,人間性までも奪う殺し方をしたのです。それは恐ろしい過ちです。 【22歳,農家】 ジェノサイドというのは,ある民族集団が別の民族集団を葬ろうとすることを指します。ジェノサイドは戦争よりも悲惨です。なぜなら,たとえその試みが成功しなかったとしても,その意思は消えることなく永遠に存続するからです。 【20歳,農家】 彼らは家族を捕まえると,まず父親を,次に母親を,最後に子どもたちを切りつけました。その結果,子どもたちはすべてを見てしまうことになったのです。 【21歳,農婦】 白人は,ジェノサイドは狂気の沙汰だったのだろうと言います。しかし,それは違います。ジェノサイドは入念に計画され,確実に実行された一つのプロジェクトです。 【34歳,ソーシャルワーカー】 涙を流すことでしか自分自身を表現できない子ども,そして「僕は泣いたのに,あいつらはパパとママを殺した。ぼくは泣いたのに,食べ物も屋根も手に入らなかった。ぼくは泣いたのに,学校にいくための物は何もない。もうぼくには自分ためにも,ほかの誰かのためにも泣きたいと思わない」と言う子どももいました。 殺人者を野放しにした白人を決して許すことはできません。虐殺したフツを決して許すことはできません。隣人が少女の腹を裂いて,赤ん坊を母親たちの目の前で殺すのを黙って見ていた者たちを許すことはできません。(続きを読む
    2,375 Views
    masudakotaroさん
    masudakotaro さん(2013/09/07 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    ぼくの新世界は政治力に支配されていなかったが、同じくらい忌まわしいもう一つの力、つまり、金力に支配されていたのだ。何年かこの国で暮らしてみて、ここは魂のない国であることが分かった。すべてが金次第なのだから。P401 (続きを読む
    2,348 Views
    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/09/04 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    作家本人とは距離を置いて作品を読んでいるほうがいい、ひどい幻滅を感じるかもしれないから個人的に知り合わないほうがいいとぼくはずっと思ってきた。レサマやビルヒリオ・ピニェーラ、リディア・カブレラとの友情は、三人は人間的にも非凡な人間だったが、離散や中傷がその跡を残していた。やがてぼくは多くの著名な、何人かは有名すぎるほどの作家と知り合ったが、触れないでおきたい。作品を読んでいるときのほうがずっと近くに感じられたのだ。幸いぼくはそうした作家たちの自惚れを忘れてしまっている。それにこの回想録を文学論文にも、また重要と思われている人物との付き合いを公開する報告書にもしたくなかった。というのも、結局のところ、重要というのはいったいどういうことなのだろう。p393(続きを読む
    2,374 Views
    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/09/04 作成)
  • キーワードで引用ノートを探す
    Copyright © 2024 Culturelife Inc. All Rights Reserved.