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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

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  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    けれど、今のところ老いとは、見えないものが増えていくことのように感じる。それは、肉体的には細かい字だったり、看板だったり、精神的には一般常識だったり、自分自身だったり、他人の感情だったりしているようだった。まるで、どんどんせばまっていく透明の箱に閉じ込められているように見えた。いつかそれが自分にも訪れるかと思うと、空っぽの胃袋みたいなすうすうした気分になった。(続きを読む
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    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/18 作成)
  • 極北

    極北 の引用ノート

    マーセル・セロー / 中央公論新社

    彼は各地を旅行し、多くの言語を身につけている。人体の筋肉の名称を残らず知っている。私みたいな人間ならここでは一山いくらで手に入る。実際的でタフな心を持ち、ツンドラを漁って命を繋いでいる人間たち。しかしシャムスディンは読書からしか得られない知識を身につけている。それがどれほど現実の役に立つのか、私にもわからない。ときとしてそれが愚かしく、いささか奇妙に――まるで囚人が絹のネクタイを結んでいるみたいに――見えることも確かだ。しかし我々より知識のある人々の間では、彼の持っている知識は貴重なものとされてきた。彼の頭の中にあるのは、何世紀にもわたって蓄積されてきたものだ。多くの血がそのために流されるだけの価値のある、大事なものだった。彼が知識として身につけている事実が解明されるために、一千年もの研究の歳月が費やされたのだ。科学と実証の一千年――そこでは「地球が太陽のまわりを回っているのであって、その逆ではない」と主張するために人は命を落とすことさえいとわなかった。それがいったん失われてしまえば、同じものごとを再び学びとるのに、更なる一千年が必要になるだろう。 P213(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/03/08 作成)
  • 青年 (新潮文庫)
    とにかく、君、ライフとアアトが別々になっている奴は駄目だよ」  純一は知れ切った事を、仰山らしく云っているものだと思いながら、瀬戸が人にでも引き合わせてくれるのかと、少し躊躇《ちゅうちょ》していたが、瀬戸は誰やら心安い間らしい人を見附けて、座敷のずっと奥の方へずんずん行って、その人と小声で忙《せわ》しそうに話し出したので、純一は上り口に近い群の片端に、座布団を引き寄せて寂しく据わった。  この群では、識《し》らない純一の来たのを、気にもしない様子で、会話を続けている。  話題に上っているのは、今夜演説に来る拊石である。老成らしい一人《いちにん》が云う。あれはとにかく芸術家として成功している。成功といっても一時世間を動かしたという側でいうのではない。文芸史上の意義でいうのである。それに学殖がある。短篇集なんぞの中には、西洋の事を書いて、西洋人が書いたとしきゃ思われないようなのがあると云う。そうすると、さっき声高に話していた男が、こう云う。学問や特別知識は何の価値もない。芸術家として成功しているとは、旨く人形を列《なら》べて、踊らせているような処を言うのではあるまいか。その成功が嫌《いや》だ。纏《まと》まっているのが嫌だ。人形を勝手に踊らせていて、エゴイストらしい自己が物蔭に隠れて、見物の面白がるのを冷笑しているように思われる。それをライフとアアトが別々になっているというのだと云う。こう云っている男は近眼目がねを掛けた痩男《やせおとこ》で、柄にない大きな声を出すのである。傍《そば》から遠慮げに喙《くちばし》を容れた男がある。 「それでも教員を罷《や》めたのなんぞは、生活を芸術に一致させようとしたのではなかろうか」 「分かるもんか」  目金《めがね》の男は一言で排斥した。  今まで黙っている一人の怜悧《れいり》らしい男が、遠慮げな男を顧みて、こう云った。 「しかし教員を罷めただけでも、鴎村なんぞのように、役人をしているのに比べて見ると、余程芸術家らしいかも知れないね」  話題は拊石から鴎村に移った。  純一は拊石の物などは、多少興味を持って読んだことがあるが、鴎村の物では、アンデルセンの飜訳《ほんやく》だけを見て、こんなつまらない作を、よくも暇潰《ひまつぶ》しに訳したものだと思ったきり、この人に対して何の興味をも持っていないから、会話に耳を傾けないで、独りで勝手な事を思っていた。  会話はいよいよ栄《さか》えて、笑声《わらいごえ》が雑《まじ》って来る。 「厭味だと云われるのが気になると見えて、自分で厭味だと書いて、その書いたのを厭味だと云われているなんぞは、随分みじめだね」と、怜悧らしい男が云って、外の人と一しょになって笑ったのだけが、偶然純一の耳に止まった。  (続きを読む
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    Majorさん
    Major さん(2012/11/11 作成)
  • 対岸の彼女 (文春文庫)
     あかりを見ていると、あまりにも自分に似ていて驚くことがある。だれかと遊びたいと思っても、無邪気に仲間に入っていくことができず、片隅でいじいじと声をかけられるのを待っている。けれどそんな姿に気づく子どもは少なくて、顔を上げれば子どもたちはみんなどこかへいってしまっている。あかりの目線を追っているつもりが、いつのまにか自分の目線になっている。公園のママ仲間になじむことのできなかった自分の。そう気づくたび、あかりに対して申し訳ない気持ちになる。だれかれに屈託なく話しかけて、派閥など気づかないふりのできる、マイペースで陽気な母親だったら、あかりもそんな子どもになるだろうにと思ってしまうのだ。(続きを読む
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    itokoさん
    itoko さん(2012/10/26 作成)
  • 新装版 俄(上) 浪華遊侠伝 (講談社文庫)
     その夜、万吉はいったん帰宅し、なにごともわすれて眠った。 「夜はものを考えぬ」  というのが、万吉の処世術である。深夜ものを考えると来し方行くすえのことがあたまのなかに去来し、考えることが自然萎れてきて消極的になるからだ。(続きを読む
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    pigeonさん
    pigeon さん(2012/11/24 作成)
  • 街道をゆく〈36〉本所深川散歩・神田界隈 (朝日文芸文庫)
    p.18-19.  本所深川は、本来、下総国であり、武蔵国である江戸とは隅田川をへだてて、別地域になっていた。  本所深川が大江戸の市域に入るのは、寛文元年(一六六一)両国橋が架けられてからだという。  その後、つぎつぎに橋が架けられ、本所深川は江戸と一つ地域になった。 <中略> p.62.  さきに本所は下総国だったといったが、橋が武蔵(江戸)と下総の両国をつないでいるところから、しゃれて両国橋と通称されるようになり、やがてそれが正称になった。 (司馬遼太郎「本所深川散歩・神田界隈街道をゆく36」より)(続きを読む
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    tymさん
    tym さん(2014/04/30 作成)
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    「ですから、そういうものだからです。理由なんてありません。昔は人智を超える出来事が常だったのですよ。目先の善悪に囚われてはいけません。すぐに出る答えになんか大した価値はないのですよ。答えなんかない方が当たり前なのですから、本当はね」(続きを読む
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    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/18 作成)
  • ユダヤ人 (岩波新書)

    ユダヤ人 (岩波新書) の引用ノート

    J‐P. サルトル / 岩波書店

    彼らはイスラエル人を盗人と考えることによって、盗まれるものを持つ人々と同様の羨むべき地位に自分を置こうとするのである。ユダヤ人が、フランスを盗もうとするから、フランスが自分達のものだと感じられるのである。このように、彼らは、所有者としての資格を得るために、反ユダヤ主義を選んだのである。p.25 反ユダヤ主義者の求める平等主義の共同体が、結局、あの、私刑や、スキャンダルの際に生まれる群衆や一時的な組合の一つのタイプに外ならないからである。そこにおける平等は、機能の無差別の結果にすぎない。社会的つながりは怒りによっている。p.30 彼等には近代的社会組織が理解出来ないので、、原始的共同体が突然再現し、その溶解度まで達する危機の時代に、ノスタルジーを持つのである。自分の人格が、急に集団の中で位置を占め、群衆の激流に運び去られることを願うのである。p.31 この群衆は、有産階級にとっては、一つの安全弁である。有産階級は、それをそそのかすことによって、自分にとって危険な社会制度に対する憎悪を、無害な、個人に対する憎悪にすりかえるのである。p.48~49 彼等は、善を決定せずにすませるために、悪を決定したのである。 悪と戦うことに夢中になればなる程、善を問題にしようという気は失われる。p.49 (続きを読む
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    tmkn さん(2012/12/03 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    ぼくの新世界は政治力に支配されていなかったが、同じくらい忌まわしいもう一つの力、つまり、金力に支配されていたのだ。何年かこの国で暮らしてみて、ここは魂のない国であることが分かった。すべてが金次第なのだから。P401 (続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/09/04 作成)
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