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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

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  • ユダヤ人 (岩波新書)

    ユダヤ人 (岩波新書) の引用ノート

    J‐P. サルトル / 岩波書店

    反ユダヤ主義者の根底であるという、社会的矛盾の真の原因を覆い隠し、それを特定の人々のせいにして不当な迫害をくわえるような傾向は、いろいろな形で、現在の日本にもあらわれて来ているのではないでしょうか。(まえがきより) 直ちに特定の個人を対象とし、その権利を剥奪したり、その生存を脅かしたりしかねぬ一主義を、意見などと呼ぶことは、わたしにはできない。(中略)こうした反ユダヤ主義は、言論の自由によって保証されるべき思想の範疇にははいらないのである。  第一、それは、思想とは全然別物である。むしろ、“情熱”である。 p.4~5 経験が、ユダヤ人という概念を生むというのは、とんでもない話で、逆に、その概念が経験に色をつけるのである。もし、ユダヤ人が存在しなければ、反ユダヤ主義者は、ユダヤ人を作り出さずにはおかないだろう。p.9 (続きを読む
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    tmkn さん(2012/12/03 作成)
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    桜なんて毎年咲くのに、いつだって見る度に目を奪われて、懲りもせず胸に切ないものが込みあげてくる。幸福な夢のような日々がまたぽっと咲くのではないかと期待してしまう。諦めても、諦めても。どんなに身体や心が醜く歪んで老いていっても。春の嵐はいつだって吹き荒れる。 ゆきちゃんは怖いものがないわけじゃない。捨てられない想いがまだあるから彼女も桜が苦手だったのだろう。希望や夢や美しさを恐れてしまううちは、きっと手遅れではない。明日へと続く何かはまだ彼女の中に残っている。そして、春はまたやってくる。 (中略) たとえ一瞬で消えてしまうとしても、花がなくては人は生きてはいけない。心騒がすものが心の在りかを教えてくれるのだから。あの嵐はなんと柔らかく私の心を揺さぶったことか。(続きを読む
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    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/24 作成)
  • うつくしい子ども (文春文庫)
    諦めちゃいけない。ぼくは決心したはずだ。いつか灰色の港に着く日まで、あの灰色の海を力の限り漕ぎ続けると。(続きを読む
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    itokoさん
    itoko さん(2012/11/21 作成)
  • 極北

    極北 の引用ノート

    マーセル・セロー / 中央公論新社

    頭が良さそうに見せることは簡単だが、善をなすことはそれほど簡単ではない。人はたまたま自分が生きている世界で生きていくしかないんだ。 P338(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/03/08 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    マイアミに着いたときぼくはいくつか声明を出したが、人にはあまり気に入られなかったと思う。「キューバが地獄なら、マイアミは煉獄です」と言ったからだ。 P378(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/08/21 作成)
  • 青年 (新潮文庫)
    とにかく、君、ライフとアアトが別々になっている奴は駄目だよ」  純一は知れ切った事を、仰山らしく云っているものだと思いながら、瀬戸が人にでも引き合わせてくれるのかと、少し躊躇《ちゅうちょ》していたが、瀬戸は誰やら心安い間らしい人を見附けて、座敷のずっと奥の方へずんずん行って、その人と小声で忙《せわ》しそうに話し出したので、純一は上り口に近い群の片端に、座布団を引き寄せて寂しく据わった。  この群では、識《し》らない純一の来たのを、気にもしない様子で、会話を続けている。  話題に上っているのは、今夜演説に来る拊石である。老成らしい一人《いちにん》が云う。あれはとにかく芸術家として成功している。成功といっても一時世間を動かしたという側でいうのではない。文芸史上の意義でいうのである。それに学殖がある。短篇集なんぞの中には、西洋の事を書いて、西洋人が書いたとしきゃ思われないようなのがあると云う。そうすると、さっき声高に話していた男が、こう云う。学問や特別知識は何の価値もない。芸術家として成功しているとは、旨く人形を列《なら》べて、踊らせているような処を言うのではあるまいか。その成功が嫌《いや》だ。纏《まと》まっているのが嫌だ。人形を勝手に踊らせていて、エゴイストらしい自己が物蔭に隠れて、見物の面白がるのを冷笑しているように思われる。それをライフとアアトが別々になっているというのだと云う。こう云っている男は近眼目がねを掛けた痩男《やせおとこ》で、柄にない大きな声を出すのである。傍《そば》から遠慮げに喙《くちばし》を容れた男がある。 「それでも教員を罷《や》めたのなんぞは、生活を芸術に一致させようとしたのではなかろうか」 「分かるもんか」  目金《めがね》の男は一言で排斥した。  今まで黙っている一人の怜悧《れいり》らしい男が、遠慮げな男を顧みて、こう云った。 「しかし教員を罷めただけでも、鴎村なんぞのように、役人をしているのに比べて見ると、余程芸術家らしいかも知れないね」  話題は拊石から鴎村に移った。  純一は拊石の物などは、多少興味を持って読んだことがあるが、鴎村の物では、アンデルセンの飜訳《ほんやく》だけを見て、こんなつまらない作を、よくも暇潰《ひまつぶ》しに訳したものだと思ったきり、この人に対して何の興味をも持っていないから、会話に耳を傾けないで、独りで勝手な事を思っていた。  会話はいよいよ栄《さか》えて、笑声《わらいごえ》が雑《まじ》って来る。 「厭味だと云われるのが気になると見えて、自分で厭味だと書いて、その書いたのを厭味だと云われているなんぞは、随分みじめだね」と、怜悧らしい男が云って、外の人と一しょになって笑ったのだけが、偶然純一の耳に止まった。  (続きを読む
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    Majorさん
    Major さん(2012/11/11 作成)
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    けれど、今のところ老いとは、見えないものが増えていくことのように感じる。それは、肉体的には細かい字だったり、看板だったり、精神的には一般常識だったり、自分自身だったり、他人の感情だったりしているようだった。まるで、どんどんせばまっていく透明の箱に閉じ込められているように見えた。いつかそれが自分にも訪れるかと思うと、空っぽの胃袋みたいなすうすうした気分になった。(続きを読む
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    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/18 作成)
  • 白洲正子全集〈第2巻〉
    つまらないことを無視するには意志が要る。 教えられなくても、反撥しても、いつの間にか影響を受けている、そういうものだけが「伝統」といえるのでしょう。 ことばが負わされた歳月の重み、それにまつわる様々な思い出、たとえば勤労奉仕といったような有難くない記憶が、私たちを、美しい日本語から遠ざける。そして無色透明な横文字によろめく。実は同じほどよごれているのだが、半解のことばは口にしやすく、責任も感じさせない。 (続きを読む
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    tmkn さん(2012/11/24 作成)
  • 対岸の彼女 (文春文庫)
     ダイニングから聞こえてくる会話を聞き流しながら日誌を書いていた小夜子は、向かいの机に置いてあるものにふと目をとめた。折り畳んだ布地に手を伸ばし、広げてみる。それは黒いエプロンだった。胸当ての部分に「プラチナクリーニングサービス」とローマ字で白く染め抜かれており、ロゴマークである土星みたいな星の絵がある。  どうしてもうユニフォームができあがってるんだろう。陽射しの下を歩いていたときと同じぼんやりした頭で小夜子は思った。おまえがいないことで支障が出るような仕事じゃないんだろーー修二の声が耳元で聞こえたような気がして小夜子は顔を上げる。(続きを読む
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    itokoさん
    itoko さん(2012/11/01 作成)
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