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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

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  • 極北

    極北 の引用ノート

    マーセル・セロー / 中央公論新社

    彼は各地を旅行し、多くの言語を身につけている。人体の筋肉の名称を残らず知っている。私みたいな人間ならここでは一山いくらで手に入る。実際的でタフな心を持ち、ツンドラを漁って命を繋いでいる人間たち。しかしシャムスディンは読書からしか得られない知識を身につけている。それがどれほど現実の役に立つのか、私にもわからない。ときとしてそれが愚かしく、いささか奇妙に――まるで囚人が絹のネクタイを結んでいるみたいに――見えることも確かだ。しかし我々より知識のある人々の間では、彼の持っている知識は貴重なものとされてきた。彼の頭の中にあるのは、何世紀にもわたって蓄積されてきたものだ。多くの血がそのために流されるだけの価値のある、大事なものだった。彼が知識として身につけている事実が解明されるために、一千年もの研究の歳月が費やされたのだ。科学と実証の一千年――そこでは「地球が太陽のまわりを回っているのであって、その逆ではない」と主張するために人は命を落とすことさえいとわなかった。それがいったん失われてしまえば、同じものごとを再び学びとるのに、更なる一千年が必要になるだろう。 P213(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/03/08 作成)
  • センス・オブ・ワンダー

    センス・オブ・ワンダー の引用ノート

    レイチェル・L. カーソン / 新潮社

    自然界への探検…それは何かを教えるためではなく、いっしょに楽しむためなのです 「知る」ことは「感じる」ことの半分ほども重要ではない… 子供たちがこれからであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子供時代は、この土壌を耕す時です(続きを読む
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    suisuiさん
    suisui さん(2013/04/30 作成)
  • マザーズ

    マザーズ の引用ノート

    金原 ひとみ / 新潮社

    「いやだーーーーっ!」 私はAVのパッケージを開けDVDを引っぺがえすようにして取り出し噛みついた。チューペットを齧るようにがしがしとDVDに歯を食い込ませる。「爆乳淫乱少女」というタイトルが目に入って私は大声でそのタイトルを音読する。別のパッケージには、「巨乳素人ナンパ」と書いてあって私はそれも音読する。「爆乳巨乳爆乳巨乳爆乳巨乳爆乳巨乳」と大声で連呼する。 「捨てないよ。捨てられない」 「涼子は捨てるよ」 「捨てないよ。私には一弥が必要なんだよ」 「抑えられないなんて嘘だよ。涼子は自分が虐待をしたくてしているという事を認めた方がいい」 (続きを読む
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    NKazuyoshiさん
    NKazuyoshi さん(2012/11/29 作成)
  • 完訳 緋文字 (岩波文庫)

    完訳 緋文字 (岩波文庫) の引用ノート

    N. ホーソーン / 岩波書店

    彼女の運命と趨勢は彼女を自由にしていた。緋文字はほかの女たちが足を踏み入れるのをはばかる地域への旅行免状だった。(続きを読む
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    tmkn さん(2012/11/19 作成)
  • 読書家の新技術 (朝日文庫)
    p.37 だが、そもそも、公認された知の集合・知の世界=教養という時の「公認」には、保守的なものも進歩的なものもともに含まれる。進歩的なものは、保守派にとっても、進歩的なるものとして諒解可能なのである。共産主義は、反共主義者にとって、共産主義なるものとして諒解可能なのである。公認の配分という程度の差こそあれ、進歩も保守も公認教養の中に含まれているのだ。(続きを読む
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    BafanaBafanaさん
    BafanaBafana さん(2015/01/20 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    バルガス=リョサの政治的思想を巡る180度の転換の背景として、キューバ革命の中で、平等の理念を実現していく過程で、同一化を巡るさまざまな問題が露呈されたことによって、彼は同一化を認めることはできない、多様性の中での共存こそ自由である、と考えるようになったこと、その一方でユートピア的な思想やラジカルな選択は避けるべきである、良識こそが政治的美徳の最良のものである、との彼の主張に、カミュやアイザイヤ・バーリンの思想の影響の存在が指摘されている。 P497(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    国家公安局によるその乱暴な一斉検挙で何百という若者たちが力ずくで警察に逮捕され、強制収容所に連れて行かれた。サトウキビの刈り入れの人手が必要だったからだ。サトウキビの収穫が近づくと、まだ大胆にも通りを散歩していたバイタリティのある長髪の若者たちはみんな引っぱっていかれてしまった。ちょうどはるか昔に、インディオや黒人奴隷たちが砂糖プランテーションに引きずられていったときのように。それは非合法で緊迫した、とはいえまだ創造性やエロティシズム、明晰さや美があった一つの時代の終わりだった。その若者たちは二度とそのころの自分にもどることがなかった。長期間の強制労働と監視のあと、たいていは隷属化した幽霊になり、浜辺にさえ寄りつかなくなった。 P185(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/08/21 作成)
  • 読書家の新技術 (朝日文庫)
    p.157 母の面前で母を否定する革命家イエス。そして、おろおろとまどうしかない、しかし慈愛に満ちた母。迎えに来たおっ母さんの気持もわかってやれや、と忠告する苦労人。この場面こそ、思想や宗教というものが、ある人にとっては歓びとなり、ある人にとっては苦痛になり、神聖劇にもなれば茶番劇にもなるという、まことに不可解なものだということを原点ともいえる形で描いているのだ。 (続きを読む
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    BafanaBafanaさん
    BafanaBafana さん(2015/01/20 作成)
  • 幻影の書

    幻影の書 の引用ノート

    ポール・オースター / 新潮社

    自分を苛む種となる偶然の要素には事欠かなかった。私はいつまでも、飽きずに同じ行きどまりの道を歩きつづけた。何もかもが絡んでいた。義父の脚の腫瘍や、その週の中西部の天候から、飛行機の切符を取ってくれた旅行代理店の電話番号に至るまで、すべてがその因果関係の連鎖のなか、おぞましい出来事の欠くべからざるひとつの鎖だった。何より悪いことに、私自身が、彼らが直行便に乗れるようボストンまで送っていくと言い張ったのだ。バーリントンからでも飛べたのに、私はそれを望まなかった。十八人乗りのプロペラ機でニューヨークまで行って、そこからミルウォーキー行きの便に乗り替える。小さい飛行機はよくないよ、と私はヘレンに言った。ああいうのは危険だ、僕抜きで君たち三人をあんなのに乗せるなんて耐えられないね、そう私は言ったのだ。というわけで、彼らはそれに乗らなかったーー私の心配を鎮めるために。そして代わりにもっと大きい飛行機に乗った。あまつさえ、その機に間に合うよう、私はすさまじいスピードで車を飛ばしたのである。その朝は道が混んでいて、やっとスプリングフィールドまで来てマサチューセッツ高速道に上がるころには、時間内にローガン空港に着くよう制限速度をはるかに超えて走らねばならなかった。(続きを読む
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    saruruさん
    saruru さん(2015/07/16 作成)
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