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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

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  • 下に見る人

    下に見る人 の引用ノート

    酒井 順子 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

    P65「女子高生」 おニャン子が人気者になった時、既に女子大生になっていた私は、その現象を見て「チッ」と思っていました。「若ければ若いほど偉い」という価値観のもと、大人を見下して女子高生ライフを謳歌した我々でしたが、女子高生という価値ある方書きは三年間の期間限定。高校を卒業してしまえば、かつて馬鹿にしていた女子大生に、自分達がならなくてはいけなかったのです。  「若ければ若いほど偉い」という価値観を自分達で広めておいて、その価値観に自分達の首が絞められた、ということになりましょう。 P67  どうやら私達は女子高生時代、気付かなくていいものに、気付いてしまったようです。若者が常に自分より年上の人に憧れる世の中であれば、年をとることに希望がもてるはず。しかし女子高生の時、「若いということには価値がある。そして自分の価値は、今が最高なのだ」と気付いてしまったら、後は自己評価がどんどん下がるばかりではありませんか。  しかし、それでも人は何とか生きていくことができるのです。四十代になった私は、自分より年上の人を見ては、まだ「あの人よりはマシ」とか「ああはなりたくない」などと思っているのです。これは果たして、不毛と言おうかポジティブシンキングと言おうか。思考の癖というものは、何歳になっても変わらないのでした。(続きを読む
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    sonojituさん
    sonojitu さん(2013/01/29 作成)
  • ヴェネツィア 水の迷宮の夢

    ヴェネツィア 水の迷宮の夢 の引用ノート

    ヨシフ・ブロツキー / 集英社

    波が砂のうえに残す模様と、ジュラ期の海獣魚竜を祖先に持つ人間という名の怪物(モンスター)が、その模様をじっと見詰めるということとの間には、たしかに何か進化論的な、自伝的なかかわりがあるように思われる。ヴィネチアのファザードの垂直方向にのびるレース模様は「時」、その別名は「水」が、堅い地表(テッラ・フエルマ)に刻み付けた最高に美しい線である。それに直截的な依存関係ではないとしても、そのレースを陳列するものが方形になる性質があること、つまりこの町の建物の形と、形という概念を軽蔑している水の無秩序性(アナキー)との間には、明らかに何か対応があるように思える。それはまた空間が、他のどこよりも、ここではそれが時間にかなわないことをよく承知していて、時間が持っていない唯一のもので、精一杯対抗しようとしているみたいでもあるのだ――すなわち美によって。だから水はこの答を受け取るかのように、それをねじ曲げ、それを叩き付け、それをずたずたにする。だが結局は何も傷つけることなく、その大半をアドリア海に流しこむのだ。 p48(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/28 作成)
  • ガープの世界〈上〉 (新潮文庫)

    ガープの世界〈上〉 (新潮文庫) の引用ノート

    ジョン アーヴィング / 新潮社

    「小説自体がテーマ?」 「いわばフィ、フィ、フィクションに関するフィクションだね」 8 次の子供、次の小説、次の恋愛(続きを読む
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    NKazuyoshiさん
    NKazuyoshi さん(2012/11/23 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    「黄色い家」では最初からすべてがうまくいかなかった。まず、ポールは散らかっているのを我慢できなかったが、フィンセントにとってそれは当たり前の状態だった。二人は仕事もきっちり分担した。ポールが料理をし、オランダ人が買い物をした。掃除についてはある日一方が掃除をしたら、次の日は他方が行った。本当のところは、ポールが片付けて、フィンセントが散らかした。 P325(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
  • ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々
    アメリカの紳士はもはや真の紳士ではない、、、彼らには完全な自己抑制を伴う自尊心が欠けている。それは本来、名家の紳士として生まれ、申し分のない教育を受け、十分な家産を持ち、自己と他者の立場をわきまえている者には自然に備わっているものだったのに P189(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/11/19 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    時々、マルキーズ諸島ではなく、日本にいる自分を彼は想像していた。おまえは月並みなポリネシアではなくて、あの国へ楽園を探しに行くべきだったのだよ、コケ。洗練された日出づる国では、人々は一年のうち九か月を農業に従事し、残りの三か月を芸術家として生きるという。日本人とはなんとまれなる民族だろうか。彼らのあいだでは、西洋芸術を退廃に追いやった芸術家とそれ以外の人々のあいだの悲劇的な隔たりはなかった。日本ではすべての人がいかなることにも従事できた。百姓であると同時に芸術家でもあり得た。芸術とは自然を真似るのではなく、技術を習得し、現実の世界とは異なる世界を創ることだった。日本の版画家たちよりうまくこれをやった者はいなかった。 P472~P473(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • クドリャフカの順番―「十文字」事件
    疲れたと言ってはいけないよ。疲れたというのは、わたしはもう充分やったから次はあなたがやりなさい、と聞こえるからね。もしどうしても疲れたときは、少し休ませてと言うんだよ。休んだらまたやりますと聞こえるからね。 *203頁より*(続きを読む
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    Yuhiさん
    Yuhi さん(2012/12/08 作成)
  • 極北

    極北 の引用ノート

    マーセル・セロー / 中央公論新社

    その年の夏はとんでもなく暑かった。まるで太った男が結婚式用のスーツを着ているみたいに、街はいくつもの縫い目に沿って分裂していた。避難民が増えすぎたのだ。 P137(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/03/08 作成)
  • なぜ書くか: エリザベス・ボウエン/グレアム・グリーン/V・S・プリチェットの往復書簡集
    このことは、長い回り道をしてはじめの質問に私を連れ戻す――なぜ書くか、という質問に連れてくる。私は、読者、人びと、社会のためには書かない。私は自分自身のために書く。私自身の自己配慮の喜びのために書く、自分が欲する卓越性を目指しながら、しかもそれにいつも至ることなく書いている。もしも誰かが私の書くものを読むことがなければ私は書くだろうか。多分そうではあるまい。しかし、私は自分の頭のなかでは書くことはやめることはできないだろう。 P24(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/03/31 作成)
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