Paragrase “パラグレーズ” ロゴ

『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

  • 全 233 件中 171 〜 180 件の引用ノートを表示
  • 並び替え: 新着順 / 人気順
  • 読書家の新技術 (朝日文庫)
    p.157 母の面前で母を否定する革命家イエス。そして、おろおろとまどうしかない、しかし慈愛に満ちた母。迎えに来たおっ母さんの気持もわかってやれや、と忠告する苦労人。この場面こそ、思想や宗教というものが、ある人にとっては歓びとなり、ある人にとっては苦痛になり、神聖劇にもなれば茶番劇にもなるという、まことに不可解なものだということを原点ともいえる形で描いているのだ。 (続きを読む
    2,482 Views
    BafanaBafanaさん
    BafanaBafana さん(2015/01/20 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    国家公安局によるその乱暴な一斉検挙で何百という若者たちが力ずくで警察に逮捕され、強制収容所に連れて行かれた。サトウキビの刈り入れの人手が必要だったからだ。サトウキビの収穫が近づくと、まだ大胆にも通りを散歩していたバイタリティのある長髪の若者たちはみんな引っぱっていかれてしまった。ちょうどはるか昔に、インディオや黒人奴隷たちが砂糖プランテーションに引きずられていったときのように。それは非合法で緊迫した、とはいえまだ創造性やエロティシズム、明晰さや美があった一つの時代の終わりだった。その若者たちは二度とそのころの自分にもどることがなかった。長期間の強制労働と監視のあと、たいていは隷属化した幽霊になり、浜辺にさえ寄りつかなくなった。 P185(続きを読む
    2,476 Views
    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/08/21 作成)
  • 深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
     タクシーとは名ばかりで、後部の荷台を取りはずし、むき出しの車体に固い椅子を取りつけた代物のために、しっかりつかまっていないと振り落とされかねない。私を乗せた三輪タクシーは、ニューデリーからオールドデリーの暗い夜道を、音だけは威勢よく走っていった。  しばらくは快調に走り続けていたが、ガソリン・スタンドの前にさしかかったとたん、運転手は車を停め、エンジンを切った。ガソリンがないと言うのだ。もうこれ以上は動かないと言う。そして、私の顔色をうかがいながら提案してきた。 「あそこで入れたいと思うのだが」  私は彼の魂胆が読めたので知らん顔をしていた。 「あそこで入れるがいいか」 「勝手にするがいいさ」  突き放すと、運転手が予想していた通りの台詞を吐いた。 「でも、金がない」 「俺の知ったことではない」 「走れないがそれでもいいか」  その言い草に腹が立ったので、それならここまでの分も払わない、別の車を探すからいい、と言って車から跳び降りると、慌てて、いや、やはり動く、とエンジンをかけた。 (P.28~)(続きを読む
    2,472 Views
    h_nagashimaさん
    h_nagashima さん(2012/11/24 作成)
  • 弱法師

    弱法師 の引用ノート

    中山 可穂 / 文藝春秋

    あまりにも長く待ちすぎたものがようやく目の前に近づいてきたとき、人間は喜びよりも先に恐怖に陥ってしまうのかもしれない。自分は本当にそれを手に入れられるのか。手に入れた瞬間に色褪せはしないか。手に入れたら案外とつまらないものだったので落胆のあまり死にたくなりはしないか、と。(続きを読む
    2,461 Views
    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/08/07 作成)
  • 太ったんでないのッ!? (新潮文庫)

    太ったんでないのッ!? (新潮文庫) の引用ノート

    檀 ふみ / 阿川 佐和子 / / 新潮社

    不思議なもので、人はおいしいものにありつくと、声も動作も大きくなる傾向にあるけれど、納得のいかぬ味に出会うと、概して静かになる。 「大器バンザイ」p53 *** 私が好むのは、モノではなく泡(あぶく)のように消える贅沢である。 「指輪物語」 p60 *** 通常、何かに目がないという場合、二つのケースが考えられる。すなわち、そのモノに対して大いに造詣深く厳しい場合と、逆に判断がゆるくなる場合である。 「顰蹙茶漬け」p66 *** 贅沢とは、広くて大きいことなのだ。だからダンフミは贅沢を喜ぶのであろう。そう言うと、 「大きいだけじゃないの。贅沢はエレガントでなきゃダメなの」 「ディッファレント!」p77 *** だいたい、本当においしいと思ったときは、マナーを度外視してよいはずだ。 「「おいしい」まわり」 p130 *** 食べ物には力がある。食べ物は強い。人は食べなくては生きていかれない。この世で最高のスパイスは「空腹」なのだ。 「最後に愛は勝つ!」 p133 (続きを読む
    2,459 Views
    akinomiya さん(2013/06/02 作成)
  • 読書家の新技術 (朝日文庫)
    p.54-55 だが、こういった矛盾(引用注:青年のものである近代教養と生活神野論理との乖離)に気づいている人もいた。 たとえば、柳田国男もその一人である。彼は、近代教養を生活の哲学とせず、伝統的な生き方をしている人たちの、一見非論理的・非体系的な思考を、民俗学という形で組み上げようとした。それが単なる学術的好奇心、功名心によるものではなく、「常民」と哲学との結合であったことは、彼が自分の思想を「新・国学」と称したことによく現れている。 (続きを読む
    2,458 Views
    BafanaBafanaさん
    BafanaBafana さん(2015/01/20 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    ビルヒリオは永遠の少数派、確固たる不服従者、不断の反逆者を体現していた。 P354(続きを読む
    2,458 Views
    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/08/21 作成)
  • ヴェネツィアが燃えた日 世界一美しい街の、世界一怪しい人々
    というのも、イタリア人にとって、オペラとは単に舞台で演じられる芸術にとどまらないんだよ。オペラを観に行くとはどういう体験かといえば、まずは胸躍る期待からはじまり、その夜のための盛装をし、劇場に向かい、その夜のメイン・イヴェントが演じられる場所に入ってゆく。つまり、一連の愉しみがしだいに深みを増してゆく、一種の祭儀なんだな。舞台が寺院であろうと、円形闘技場であろうと、劇場であろうと、すべての祭儀がそうであるように、そこに至るまでのセッティングこそはその体験の重要な一部なのさ。メドゥーナが企図したのは、劇場内部の装飾が観客席において最高潮に達することだった。 P130(続きを読む
    2,456 Views
    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/11/15 作成)
  • なぜ書くか: エリザベス・ボウエン/グレアム・グリーン/V・S・プリチェットの往復書簡集
    私は疎外された人たちの意識的な弁護を薦めているのではない。事実私はプロパガンダを少しも弁護していない。ディケンズやチャールズ・フッドにとって書かれたような弁護をしているのではない。小説家にとって再創造の行為自体は、共感を巻き込む。彼自身が共感できない人物たちは、真に再創造されていないのだ。プロパガンダは無垢なる人たちへの、もしくはプロパガンダが無垢とみなしたがる人たちから共感を引き出すことだけに関心を持つ。そして彼がこれをなすのは、罪ある人を犠牲にして行う。彼もまた泉に毒を注いでいるのだ。しかし、小説家の仕事は、いかなる人間にも自分自身の似姿を引き写すことである。無垢なる人と同様に、罪ある人の場合をも。全ての人物に対する私たちの態度は多かれ少なかれ――ほらそこに私自身が行く、神よ許したまえ、である。 p66(続きを読む
    2,455 Views
    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/03/31 作成)
  • キーワードで引用ノートを探す
    Copyright © 2025 Culturelife Inc. All Rights Reserved.