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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

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  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    その自画像を描いていて、アルルの「黄色い家」に雨と北西風に閉じ込められたあの数週間に、オランダ人を虜にした花、ひまわりを描くフィンセントの肖像画を描いたことをポールは思い出した。彼は飽きずにいつもその花を描いていた。 P335(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/08 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    川は抑えられない暴力の魅力に憑かれてとどろいていた。氾濫するその川の力はたいていのものを押し流し、木々や岩、動物、家を運び去っていった。それは破壊の、そしてまた、生の法則の神秘だった。その川がどこまで行くのか、その逆上した流れどこまで達するのか、そのときはよく知らなかったが、その轟音といっしょにぼくもいかなくちゃならない、ぼくもその水に飛び込んで消えなくちゃいけない、わずかとはいえ心の安らぎは常に先へと進むその激流の中でしか見いだせない、と何かがぼくに言っていた。でも、飛び込む勇気がなかった。ずっとぼくは臆病だった。川辺まで近寄ると、あと一歩出ろ、そうすりゃ渦がおまえを呑みこんでくれる、と川がぼくに向かって吠えていた。そのときそうしていたら、いったいどれだけ多くのことが避けられたか。 P41(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/08/21 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    狂ったオランダ人の思い出は、アトゥオナで暮らしはじめて数か月、ほとんど一瞬たりともおまえから離れることがなかった。どうしてだろうか、コケ。ほぼ十五年のあいだは、おまえの記憶から彼をきれいに消し去ることができていた、疑いなく幸運なことだった。なぜならフィンセントの思い出はおまえを落ち着かない気持ちにさせ、苦しめ、おまえの仕事をだめにしてしまったかもしれないから。けれどもここ、マルキーズ諸島では、おまえもあまり絵を描かなくなっていたから、あるいは疲れていたし病気でもあったから、心遣いの細やかさと狂気を伴った、人の善いフィンセント、かわいそうなフィンセント、我慢のならないフィンセントのイメージが絶えずおまえの意識になだれこんでくるのを阻む手だてがなかった。プロヴァンスで八週間に及ぶ困難な共同生活をしたときの数々の出来事、逸話、論争、憧れ、夢は、あれから十五年を経て、数日前の出来事さえすっかり忘れがちな現在の記憶状況でも、ポールは鮮やかに思い出すことができた。 P322(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
  • 夜になるまえに

    夜になるまえに の引用ノート

    レイナルド アレナス / 国書刊行会

    美はそれ自体、どんな独裁にとっても危険なもの、闘争的なものだ。独裁が人々に課している制限を超えていくような世界を含んでいるのだから。それは政治警察の支配の及ばない領域である。したがって誰にも統治されることがない。だからこそ独裁者たちは苛立ち、なんとかして破壊しようとする。美は独裁体制下ではいつも反体制である。というのも、どんな独裁もそれ自体、見苦しい醜悪なものなのだから。美を実践することは独裁者とその官吏たちにとって現実逃避的な、あるいは反動で黄な行為である。 P134(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/08/21 作成)
  • 弱法師

    弱法師 の引用ノート

    中山 可穂 / 文藝春秋

    求めても得られないものはいつしか求めなくなるものだ。わたしはこうして諦めてきたのだ。愛という言葉を自分の辞書から葬ってきたのだ。そうして独りで生きることに決めたのだ。(続きを読む
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    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/08/07 作成)
  • なぜ書くか: エリザベス・ボウエン/グレアム・グリーン/V・S・プリチェットの往復書簡集
    作家も他の人と同じように一個の市民(生きる存在)であり、市民としてのディレンマをもっている。しかしプリチェットにおいては作家の市民としての時間は彼の作家としての時間に比べればほんのわずかでしかなく、市民であることは人間の全目的ではない。さらに、作家はたとえ社会にとって不可欠の存在であるにしても、一個の贅沢品にしかすぎないという自覚が彼にはあって、もし社会から攻撃を受ければ、作家はレジスタンスのゲリラ兵のように戦いつづけ、逃亡するほかにということになる。 P82(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/03/31 作成)
  • ヴェネツィア 水の迷宮の夢

    ヴェネツィア 水の迷宮の夢 の引用ノート

    ヨシフ・ブロツキー / 集英社

    時こそが神なのではないかという考えに、ぼくは常に執着していた。少なくとも神の霊とは、そのようなものではないだろうか。もしかしたらこの考えは、ぼく自身が考え出したものだったかもしれないのだ。しかし今はよく覚えていない。それはともかく、もしも神の霊が水面を動いたとしたら、水はそれを映し出したはず、とぼくはいつも思っていた。~略~ぼくはただ、水は時のイメージだと思っている。だからぼくは、少しばかり異教徒風に、水辺で、それもできれば海のそばで、大みそかを迎えるようにしている。 P47(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/27 作成)
  • なぜ書くか: エリザベス・ボウエン/グレアム・グリーン/V・S・プリチェットの往復書簡集
    文学は教化とは一切関係がない。こういったからといって、私は文学が無教化的であると主張しているわけではない。文学は個人の道徳を表し、この個人の道徳はその個人が属するグループの道徳とめったに一致するものではない。 P44(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2013/03/31 作成)
  • 楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2)

    楽園への道 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-2) の引用ノート

    マリオ・バルガス=リョサ / 河出書房新社

    なんて苦しいコルセットだろう。コルセットについては『メフィス』という小説の中でおまえは痛烈な批判をしていて、未来社会では不適切な衣類として禁止されるだろう、女性を腹帯を締めた雌馬のように感じさせるから、と述べている P262(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/07 作成)
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