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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

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  • 麦ふみクーツェ (新潮文庫)
     にゃあ!  やっとわかった。待っていたんだ。  うまれて以来ずっと、ぼくは知らず知らずのうちに待っていた、ばちをふりおろすこの瞬間を。いちばんうしろの高いところでずいぶん長いあいだ、じっとばかみたいに立ちつくし、このへんてこな打楽器を打ち鳴らす時ときがくるのを。(続きを読む
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    dotetintinさん
    dotetintin さん(2014/03/12 作成)
  • 新編 東洋的な見方 (岩波文庫)
    この有限の世界に居て、無限を見るだけの創造的想像力を持つようにしなくてはならぬ。この種の想像力を、自分は詩といって居る。この詩がなくては、散文的きわまるこの生活を、人間として送ることは不可能だ。 荒唐無稽だと嘲ることを止めよ、頂門に一隻眼を具えないものにとりては、とてもこの「詩」の世界はわからぬ。(続きを読む
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    tmkn さん(2012/11/24 作成)
  • 虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

    虫眼とアニ眼 (新潮文庫) の引用ノート

    養老 孟司 / 宮崎 駿 / / 新潮社

    目の前に気に入った散歩道が見つかれば、それが50メートルしかなくても、けっこう機嫌よく生きられる。生き方のコツとしてはぼくはそうだと思うようになってきた。(宮崎駿)(続きを読む
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    goyaさん
    goya さん(2013/03/13 作成)
  • クワジーモド詩集

    クワジーモド詩集 の引用ノート

    サルヴァトーレ クワジーモド / 思潮社

    おそらく このまま死ぬだろう…… 予見し、目に見えるどの方向に向かうとしても 体も心も生命と死に対しても忠実でありたい(続きを読む
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    Yuhiさん
    Yuhi さん(2012/12/12 作成)
  • 新装版 俄(下) 浪華遊侠伝 (講談社文庫)
    「明石屋ではないか」  と、馬上の士が、声をかけた。  万吉がふりむくと、官軍の高級士官らしい人物で、長州軍制服の上に錦の陣羽織をはおっている。 「おれだ、わすれたか」 「はて」  万吉はとぼけた。このあたりが、万吉の侠客としての腹芸のひとつであろう。 「わすれてもらってはこまる。おまえに命をたすけられた長州の遠藤謹助だ」 (ああ、理屈屋の遠藤か)  むろん、万吉は馬上の士を見たとたんに思い出しているのだが、そういう顔つきをすれば万吉の男稼業がすたるであろう。 「一向に存じまへんな」 「よく顔をみろ」  と、遠藤は馬から降り、韮山笠をとって万吉に笑いかけた。 「ああ、思いだしました」 「あっははは、物おぼえのわるいやつだ。ーーところで」  と、遠藤は万吉と、万吉をとりかこんでいる松時雨らを見くらべつつ、 「ここでなにをしている」 「首」  自分の首に手をやり、 「これだす」  と、刎ねるまねをした。 「ははあ、時勢だな」  遠藤は笑いだした。以前は自分がいまの万吉の立場にあったことを思うと、時勢の変転というのはまるで芝居の回り舞台のようである。 「ほな、失礼」  と万吉が河原へおりかけると、遠藤はあわてて、待てーーといった。 「おまえを処刑すれば、長州の恥辱だ。なぜわれわれを救ったことを、この屯営の連中に言わぬ」 「わすれましたのでな」  万吉はもう芝居がかっている。 「わすれたわけでもあるまい」 「たとえ覚えていても、この場になって昔の恩を担保(かた)に命乞いをしようとは思いまへん」 「申したなあ。それでこそ任侠だ」  遠藤は万吉の縄をとかせ、あらためて屯営へ連れてゆき、座敷にあげ、この寺の小僧に命じて茶菓の接待をさせた。(続きを読む
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    pigeonさん
    pigeon さん(2012/10/16 作成)
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    「意味はあるよ」 俺を見上げる。 「私は彼氏のこと好きだったよ」 「そんなことされてもか」 「うん。いいの、好きだったから。殴られても、大喧嘩しても、追いだされても、私は好きだったよ。誰に笑われても、騙されているって言われてもいいの。だって私は精一杯愛したもの。それに悔いはないから。だから、今こんなでも笑える。今回は失敗したけど、また、誰かを好きになりたいって思える」 アイラインに滲んだ目でまっすぐ俺を見つめる。苦笑した。 「馬鹿だなあ、お前」 香澄はわざと嘲りを含ませた俺の言葉に動じなかった。にっこりと笑う。 「馬鹿じゃ駄目なの?少なくとも私は弱虫じゃない。やれることはやった。それでいいの」(続きを読む
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    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/18 作成)
  • 新装版 俄(下) 浪華遊侠伝 (講談社文庫)
     やがて昼どきになったから、めしが出た。懲役場の囚人の食うめしで、なるほど旧幕時代よりはだいぶましであった。麦六割、米四割で、野菜、干魚がついている。  万吉も食った。 「これなら、監獄も悪い所やおまへんな」 「なんの」  原田典獄はいった。 「これは規定のめしでござって、囚人がこれを食っているわけではない。ここにもわしの悲憤がある」  現実には予算不足で、米のかわりに稗が入っている。稗は犬猫も食わぬというから、囚人の体力を保持する上に多々問題がある、と原田はいった。 (こいつ、泣き屋やな)  と、万吉は思った。原田は理想主義者ながら、現実は泣いているばかりでよほど実行力のない男なのだろう。(続きを読む
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    pigeonさん
    pigeon さん(2012/10/23 作成)
  • ヴェネツィア 水の迷宮の夢

    ヴェネツィア 水の迷宮の夢 の引用ノート

    ヨシフ・ブロツキー / 集英社

    こんなことが起こったのはたった一度だけ。でもヴェネチアには他にもこういうところが山ほどあるらしい。しかし、一度で十分だ、特に冬、この地方特有の霧、あの有名なネッビアが、水に映る影はもちろん、建物、人、列柱、橋、彫像など、およそ形を持つものすべてを突然消し去ることによって、この場所を、どんな宮殿の奥深くにある聖域よりもはるかにはかないものにしてしまう時だ。船のサービスはすべてキャンセルされるし、飛行機は何週間も飛ばす、店は閉まり、郵便物は戸口に散乱しなくなる。その効果は、まるで誰かの不器用な手が、あの続き部屋(エンフィラード)を裏返しにして、町全体を裏地でくるんだみたいな感じだった。~略~こんな日こそ、日ごろ出来ない読書をしたり、一日中電気をつけっぱなしにしたり、自分の欠点を大目に見たり、コーヒー制限をゆるめたり、BBCのワールド・サービスを聴いたり、いつもより早く床に入ったりするのがいい。要するにそれは、急に姿を消し、見られることを止めてしまった町が引き起こした自己忘却の時間だ。知らないうちに、きみはそれからサインを受け取る。ヴェネチアのように、連れがいなくて、一人だと特にそうだ。ヴェネチアに生まれるという幸運を逸してしまった以上、せめてなにもかも見えなくなってしまうという特権を共有することに、誇りを見つけることができるのだ。 P62-63(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/28 作成)
  • 対岸の彼女 (文春文庫)
     軽い酔いも手伝って小夜子はべらべらとしゃべった。最近になって知った。しゃべることは、気持ちいいのだ。義母のことも、夫の不用意な発言も、口に出せば喜劇性を帯び、すぐに忘れられる。言わずにためこむと、些細なことがとたんに重い意味を持ち、悲劇性と深刻味を帯びる。(続きを読む
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    itokoさん
    itoko さん(2012/10/30 作成)
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