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『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

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  • 深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)
     もたもた、よろよろしながら、それでもどうにかターミナルに着いた。もちろん時計の針は、七時半はおろか八時を廻っている。と、天の助けかアムリトサル方面行きのバスがまだ発車せずにいるではないか。  少し待ってくれるようバスの運転手に頼もうと喜び勇んで駆け上がると、乗客全員にジロリと睨まれた。なんと満席で、そのバスに乗りきれない人がもう一台分くらい周囲にいる。彼らは次のバスを待っているのだ。 「次のは何時です」  訊ねると、英語のわかる乗客のひとりが五時と教えてくれた。朝の、である。もしそれに乗れなかったらと訊ねると、七時半と言う。二時間くらいならと呟くと、いや夜のだと言う。そうか半日後か。半日もどうやって時間をつぶそうか。すると彼が同情するように言った。 「明日のじゃない。三日後だ」 (P.31~)(続きを読む
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    h_nagashimaさん
    h_nagashima さん(2012/11/24 作成)
  • ヴェネツィア 水の迷宮の夢

    ヴェネツィア 水の迷宮の夢 の引用ノート

    ヨシフ・ブロツキー / 集英社

    こんなことが起こったのはたった一度だけ。でもヴェネチアには他にもこういうところが山ほどあるらしい。しかし、一度で十分だ、特に冬、この地方特有の霧、あの有名なネッビアが、水に映る影はもちろん、建物、人、列柱、橋、彫像など、およそ形を持つものすべてを突然消し去ることによって、この場所を、どんな宮殿の奥深くにある聖域よりもはるかにはかないものにしてしまう時だ。船のサービスはすべてキャンセルされるし、飛行機は何週間も飛ばす、店は閉まり、郵便物は戸口に散乱しなくなる。その効果は、まるで誰かの不器用な手が、あの続き部屋(エンフィラード)を裏返しにして、町全体を裏地でくるんだみたいな感じだった。~略~こんな日こそ、日ごろ出来ない読書をしたり、一日中電気をつけっぱなしにしたり、自分の欠点を大目に見たり、コーヒー制限をゆるめたり、BBCのワールド・サービスを聴いたり、いつもより早く床に入ったりするのがいい。要するにそれは、急に姿を消し、見られることを止めてしまった町が引き起こした自己忘却の時間だ。知らないうちに、きみはそれからサインを受け取る。ヴェネチアのように、連れがいなくて、一人だと特にそうだ。ヴェネチアに生まれるという幸運を逸してしまった以上、せめてなにもかも見えなくなってしまうという特権を共有することに、誇りを見つけることができるのだ。 P62-63(続きを読む
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    haruga6さん
    haruga6 さん(2012/12/28 作成)
  • 桜の首飾り

    桜の首飾り の引用ノート

    千早 茜 / 実業之日本社

    桜なんて毎年咲くのに、いつだって見る度に目を奪われて、懲りもせず胸に切ないものが込みあげてくる。幸福な夢のような日々がまたぽっと咲くのではないかと期待してしまう。諦めても、諦めても。どんなに身体や心が醜く歪んで老いていっても。春の嵐はいつだって吹き荒れる。 ゆきちゃんは怖いものがないわけじゃない。捨てられない想いがまだあるから彼女も桜が苦手だったのだろう。希望や夢や美しさを恐れてしまううちは、きっと手遅れではない。明日へと続く何かはまだ彼女の中に残っている。そして、春はまたやってくる。 (中略) たとえ一瞬で消えてしまうとしても、花がなくては人は生きてはいけない。心騒がすものが心の在りかを教えてくれるのだから。あの嵐はなんと柔らかく私の心を揺さぶったことか。(続きを読む
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    marie1127さん
    marie1127 さん(2013/12/24 作成)
  • 下に見る人

    下に見る人 の引用ノート

    酒井 順子 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

    P13  時代によっていじめの被害者像、加害者像も変化しているわけですが、しかしこれらのいじめ行為に共通して見ることができる心理が、「他人を下に見たい」という欲求なのでしょう。自分がどんな立場にいようと、他人をどうにかして下に見ることによって、自らの精神の安寧を得ようとする人が、我が国にはやたらと多いのではないか。  もちろん私も、その一人であるわけです。幼稚園に入って、集団で行動することが始まった瞬間に、お弁当を食べる速度、お遊戯の上手下手、先生からの寵愛具合……と、様々な点で優劣をつけられるようになった。その時に、「上」でいることの快感と「下」になることへの恐怖は、既に植え付けられていたのです。  小学校、中学校と進むうちに、上と下を分ける物差しは、どんどん増加していきます。勉強やスポーツのみならず、容姿、異性からのモテ具合等、あらゆる場面で、自分は上なのか下なのかを意識せざるを得なくなってくる。  それは大人になってからも同じなのであり、「『下』になりたくない」「『上』でありたい」という欲求によって動くことの、何と多いことか。その欲求を満たすには、努力して上に行くことが一番であるわけですが、努力の苦しさにふとため息をついた時、脇で目につくのは、「他人を下に見る」という、甘い誘惑。その欲求に応じる時の快感はまた、癖になるものであり……。 「下に見たい」という欲求。それは、日本にとっての大きな病巣でありつつ、同時に小国日本をここまでの経済大国にした原動力の一つのような気もするのです。考えてみれば私も、今までの人生の様々な局面において、他者を下に見ることによって、安心したり自信を持ったりしてきました。「下に見る」側は自分の行為をすぐ忘れてしまうけれど、その時の行為と心理をこれから少しずつ思い出しつつ、「なぜ私は、そうしてしまうか」ということを、考えてみたいと思います。(続きを読む
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    sonojituさん
    sonojitu さん(2013/01/29 作成)
  • ぼくと「ジョージ」 (岩波少年文庫)
    ジョージにはわかった。ベンに砂のお城みたいな一生を送ることをやめさせ、沈黙の堀の真ん中にぽつんと立ったような科学の尖塔を築くのをやめさせ、技術を磨く代わりにお世辞や友情を欲しいがるのをやめさせるためには、静かな革命を起こさなくてはならない、と。(続きを読む
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    chiyorinさん
    chiyorin さん(2014/12/22 作成)
  • 読書家の新技術 (朝日文庫)
    p.75 ここでも谷沢(引用注:谷沢永一)は、近代合理主義的人間至上主義が合理外のことを忘れて破綻しかかっていることを、卑小な現世哲学に切りつめて乗り切ろうとしている。ここで谷沢が想定しているのは、たとえば、貧富の差、肉体的障害、社会的差別、ということに対して、ほとんどダダをこねているに等しい要求がしばしば左翼陣営から叫ばれていることだろう。こういう要求が異常なものになりがちなのは、近代合理主義的人間至上主義が合理外の「運」というものを視野の外に置いた結果であることは、私も谷沢以上に認める。「以上に」というのは、私は、こういうダダをこねている人に、一方では同じ人間として(これを儒教では「仁」という)かぎりなく共感するからであり、そして、異常な要求をするという袋小路に入るしかない近代合理主義を、それこそ「運」をも取り込んだ理論を創出することによって克服しようとしているからだ、微力ながら。(続きを読む
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    BafanaBafanaさん
    BafanaBafana さん(2015/01/20 作成)
  • うつくしい子ども (文春文庫)
    諦めちゃいけない。ぼくは決心したはずだ。いつか灰色の港に着く日まで、あの灰色の海を力の限り漕ぎ続けると。(続きを読む
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    itokoさん
    itoko さん(2012/11/21 作成)
  • 仕事は楽しいかね?

    仕事は楽しいかね? の引用ノート

    デイル ドーテン / きこ書房

    「目標に関する君の問題は、世の中は君の目標が達成されるまでじっと待っていたりしないということだよ」 「人は、変化は大嫌いだか、試してみることは大好きなんだ」 (続きを読む
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    JAZZ_MANさん
    JAZZ_MAN さん(2013/04/30 作成)
  • 細雪 (上) (新潮文庫)

    細雪 (上) (新潮文庫) の引用ノート

    谷崎 潤一郎 / 新潮社

     彼女たちは、前の年には何処でどんなことをしたかをよく覚えていて、ごくつまらない些細なことでも、その場所へ来ると思い出してはその通りにした。たとえば栖鳳池の東の茶屋で茶を飲んだり、楼閣の橋の欄干から緋鯉に麩を投げてやったりなど。(続きを読む
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    NKazuyoshiさん
    NKazuyoshi さん(2013/01/03 作成)
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