塵外年光満 塵外 年光満ち
林間物候明 林間 物候明かなり
風月澄遊席 風月 遊席に澄み
松桂期交情 松桂 交情を期す
(河島皇子 「山斎」)
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隴上孤松翠 隴上 孤松翠に
凌雲心本明 凌雲 心もと明らかなり
(大納言直大二中臣朝臣大島 「孤松を詠ず」の最初の二行)
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送雪梅花笑 雪を送つて梅花笑み
含霞竹葉清 霞を含んで竹葉清し
(従四位上治部卿境部王 「長王宅に宴す」の三、四行)
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余この文を撰する意(こころ)は、まさに先哲の遺風を忘らざらむとするがためなり。ゆゑに懐風を以て、これに名づくといふことしかり。
(「懐風藻序」の最後の部分より。漢文は略しました)
(
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