Paragrase “パラグレーズ” ロゴ

『文学・評論』関連の引用(抜き書き)読書ノートリスト

引用(抜き書き)『文学・評論』関連の読書ノートリスト

  • 全 233 件中 31 〜 40 件の引用ノートを表示
  • 並び替え: 新着順 / 人気順
  • トニオ・クレエゲル (岩波文庫)
    人間社会では、あんまり懐疑的で意見を吐かずにいると、ほんとはただ高慢で臆病なのに、ばかだと思われることがよくあるものです。『認識』についていうことはこれだけです。(続きを読む
    3,003 Views
    tmkn さん(2012/11/19 作成)
  • 山椒大夫・高瀬舟 (新潮文庫)
    安寿はそこに立って、南の方をじっと見ている。目は、石浦を経て由良の港に注ぐ大雲川の上流をたどって、一里ばかり隔った川向いに、こんもりと茂った木立ちの中から、塔の尖さきの見える中山に止まった。そして「厨子王や」と弟を呼びかけた。「わたしが久しい前から考えごとをしていて、お前ともいつものように話をしないのを、変だと思っていたでしょうね。もうきょうは柴なんぞは苅らなくてもいいから、わたしの言うことをよくお聞き。小萩は伊勢から売られて来たので、故郷からこの土地までの道を、わたしに話して聞かせたがね、あの中山を越して往けば、都がもう近いのだよ。筑紫へ往くのはむずかしいし、引き返して佐渡へ渡るのも、たやすいことではないけれど、都へはきっと往かれます。お母あさまとご一しょに岩代を出てから、わたしどもは恐ろしい人にばかり出逢ったが、人の運が開けるものなら、よい人に出逢わぬにも限りません。お前はこれから思いきって、この土地を逃げ延びて、どうぞ都へ登っておくれ。神仏かみほとけのお導きで、よい人にさえ出逢ったら、筑紫へお下りになったお父うさまのお身の上も知れよう。佐渡へお母あさまのお迎えに往くことも出来よう。籠や鎌は棄てておいて、子かれいけだけ持って往くのだよ」  厨子王は黙って聞いていたが、涙が頬ほおを伝って流れて来た。「そして、姉えさん、あなたはどうしようというのです」 「わたしのことは構わないで、お前一人ですることを、わたしと一しょにするつもりでしておくれ。お父うさまにもお目にかかり、お母あさまをも島からお連れ申した上で、わたしをたすけに来ておくれ」 「でもわたしがいなくなったら、あなたをひどい目に逢わせましょう」厨子王が心には烙印やきいんをせられた、恐ろしい夢が浮ぶ。 「それはいじめるかも知れないがね、わたしは我慢して見せます。金で買った婢はしためをあの人たちは殺しはしません。多分お前がいなくなったら、わたしを二人前働かせようとするでしょう。お前の教えてくれた木立ちの所で、わたしは柴をたくさん苅ります。六荷までは苅れないでも、四荷でも五荷でも苅りましょう。さあ、あそこまで降りて行って、籠や鎌をあそこに置いて、お前を麓へ送って上げよう」こう言って安寿は先に立って降りて行く。  厨子王はなんとも思い定めかねて、ぼんやりしてついて降りる。姉は今年十五になり、弟は十三になっているが、女は早くおとなびて、その上物に憑つかれたように、聡さとく賢さかしくなっているので、厨子王は姉の詞にそむくことが出来ぬのである。  木立ちの所まで降りて、二人は籠と鎌とを落ち葉の上に置いた。姉は守本尊を取り出して、それを弟の手に渡した。「これは大事なお守だが、こんど逢うまでお前に預けます。この地蔵様をわたしだと思って、護り刀と一しょにして、大事に持っていておくれ」 「でも姉えさんにお守がなくては」 「いいえ。わたしよりはあぶない目に逢うお前にお守を預けます。晩にお前が帰らないと、きっと討手うってがかかります。お前がいくら急いでも、あたり前に逃げて行っては、追いつかれるにきまっています。さっき見た川の上手かみてを和江わえという所まで往って、首尾よく人に見つけられずに、向う河岸へ越してしまえば、中山までもう近い。そこへ往ったら、あの塔の見えていたお寺にはいって隠しておもらい。しばらくあそこに隠れていて、討手が帰って来たあとで、寺を逃げておいで」 「でもお寺の坊さんが隠しておいてくれるでしょうか」 「さあ、それが運験うんだめしだよ。開ける運なら坊さんがお前を隠してくれましょう」 「そうですね。姉えさんのきょうおっしゃることは、まるで神様か仏様がおっしゃるようです。わたしは考えをきめました。なんでも姉えさんのおっしゃる通りにします」 「おう、よく聴いておくれだ。坊さんはよい人で、きっとお前を隠してくれます」(続きを読む
    2,989 Views
    さん
    さん(2012/11/19 作成)
  • 山月記

    山月記 の引用ノート

    Atsushi Nakajima /

    なし(続きを読む
    2,978 Views
    murakamisouさん
    murakamisou さん(2012/11/23 作成)
  • 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
    実際にはね、ヒトの現実認識は言語とはあまり関係がないの。どこにいたって、どこに育ったって、現実は言語によって規定されてしまうほどあやふやではない。思考は言語に先行するのよ。 P122(続きを読む
    2,963 Views
    SXR-80-07さん
    SXR-80-07 さん(2015/12/29 作成)
  • 麦ふみクーツェ (新潮文庫)
    先生がおもいだしたかのように、 「へんてこで、よわいやつはさ。けっきょくんとこ、ひとりなんだ」  と口の端からつぶやいた。「ひとりで生きてくためにさ、へんてこは、それぞれじぶんのわざをみがかなきゃなんない」 「技?」  とん、たたん 「わざだよ」  先生はこたえた。「そのわざのせいで、よけいめだっちゃって、いっそうひどいめにあうかもしんないよ。でもさ、それがわかっててもさ、へんてこは、わざをさ、みがかないわけにはいかないんだよ。なあ、なんでだか、ねこ、おまえわかるか」 「それは」  たたん、とん  ぼくは足ぶみのようにひとことずつ区切っていった。「それがつまり、へんてこさに誇りをもっていられる、たったひとつの方法だから」 「へえ」  と先生は口をとがらせ、「ねこのくせに、よくわかってやんの」 「ねえ先生」  とぼくは言う。「みどり色は何十万にひとりなんかじゃない。この世でたったひとりなんだ。ねえ、ひとりってつまり、そういうことでしょう?」  先生はなにもいわなかった。こたえをかえすかわり、鏡なし亭につくまでのあいだクッションのきいた座席の上で、ずっとぴょんぴょこ跳びはねていた。(続きを読む
    2,954 Views
    dotetintinさん
    dotetintin さん(2014/03/11 作成)
  • 食堂かたつむり

    食堂かたつむり の引用ノート

    小川 糸 / ポプラ社

    結局、お妾さん私の用意した食事をすべて平らげてくれた。最後のエスプレッソコーヒーを飲干した後、お妾さんは私の手鏡に向かってささやいた。まるで春の陽だまりみたいなやさしい声で。「ご馳走さまでした。大変、おいしゅうございましたよ。どうもありがとう」(続きを読む
    2,953 Views
    chocoraさん
    chocora さん(2013/02/20 作成)
  • ユング自伝―思い出・夢・思想 (2)

    ユング自伝―思い出・夢・思想 (2) の引用ノート

    C.G.ユング / A.ヤッフェ / / みすず書房

    錬金術についての私の仕事を、私はゲーテとの内的関連のしるしとみなしている。ゲーテの秘密は、彼が世紀を越えてつづいて来た原型的変容の過程にとらえられていたことであった。彼は『ファウスト』を大いなる業、あるいは神の業とみなしていた。P.10(続きを読む
    2,949 Views
    fishdeleuzeさん
    fishdeleuze さん(2013/03/08 作成)
  • あしながおじさん (新潮文庫)

    あしながおじさん (新潮文庫) の引用ノート

    ジーン ウェブスター / 新潮社

    書簡集 前置詞(中略)は奪格を支配す。 (続きを読む
    2,943 Views
    NKazuyoshiさん
    NKazuyoshi さん(2012/12/30 作成)
  • パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)
     線路は全く違うが、二つの電車が同じ方向に、しかも同じ駅に止まりながら進んでいく場合が時折存在する。田端、品川間の山手線と京浜東北線も、そういったものの一つだ。  大学院在学中、敦賀崇史は週に三度、山手線を利用した。新橋にある大学の資料室に行くためだった。毎朝決まった時刻に、同じ電車に乗った。ラッシュアワーは過ぎていたが、座れることは殆どなく、彼はいつもドアの脇に立つことにしていた。いつも同じ車両、同じドアだった。  そうして外の景色を眺める。雑然としたビルの群れ、くすんだ空、品のない看板。  が、それらの風景も、並行して走っている京浜東北線の車両に阻まれることが多かった。その電車は、近づいたり、離れたりしながら、同じように走っていた。ほぼ同じ速度だから、最接近した時などは、まるで一緒の車両内にいるかのように、向こうの乗客のようすを見ることができた。無論、向こうからもこちらのようすが手に取るようにわかるはずだった。だがどれだけ近づいても、双方の空間に交流はない。あちらはあちらで、こちらはこちらで世界が完結している。  ある時崇史は、向こうの電車に乗っている若い女性に目を留めた。彼女は崇史と同じように、ドアの横に立ち、外に目を向けていた。髪が長く、目の大きな娘だった。大学生かなと、そのカジュアルな服装から崇史は推測した。  その後何度か乗るうち、毎週火曜日、彼女が必ず向こうの電車に乗っていることを発見した。同じ時刻の電車で、同じ車両の同じドアのところに彼女は立っていた。  崇史は火曜の朝を楽しみにするようになった。彼女を見た日は、なんとなく気分がよかった。逆に、たまに彼女を見つけられなかった時には、どうしたのだろうと気になって仕方がなかった。要するに彼は彼女に恋をしていた。(続きを読む
    2,940 Views
    itokoさん
    itoko さん(2012/10/23 作成)
  • キーワードで引用ノートを探す
    Copyright © 2025 Culturelife Inc. All Rights Reserved.